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【2011冬ver】「死ぬほど…ではないが洒落にならない怖い話」私的選集。


今年は色々と忙しさにかまけブログをさぼっていたので、
毎年恒例の企画記事モノのほとんどやれないまま、こんな年の瀬になってしまいまして。
さすがにもう寒い時期なんで、いまさら納涼壁紙特集とかやれないんだが、
コレはやってもいいんじゃね?いやいや、むしろやらねばいかんだろう!って企画が、
当ブログお盆恒例の「怖い話コピペ」大会。
いやぁ、オカルターを自認する三十路としてはこの企画だけはマジ外せないっていうか、
実はシンプルテキストに準備までしてて、放置しっぱなしだったという(苦笑
なもんで更新再開の狼煙として、怖いコピペ私的選集2012年度版を今回はお届け。

過去に二度、この怖い話コピペ企画はやった事があるんですが、
09年度版は初級編ということで「結局一番怖いのは人間だよね」が主題で、
10年度版では中級編として「でも人間以上に怖い何かってヤッパいるよね?」が主題で。
そして三度目の開催となる今回は、まぁ皆も慣れてきたんだろうで上級編に突入、
「彼岸と此岸の境目」をモチーフとして選集してみました。
人間じゃない、現実じゃない、でも何処かと繋がっている何か、という境界線上での怖い話。
どっちがどっちだが分からない異質な空間・場所に、遂に何かの姿が浮かび上がる…。
そんな選集を心掛けてみました。
過去の二回を読んでない方、一応こちらの計算では順建てになっているんで、
ぜひ上のブログ内リンクから飛んで、09年→10年と読んできてもらってからお愉しみを。

この世とあの世の境目。
太陽が照らし人間が活動する時間と、闇夜が包み何かが活動する時間。
その境を日本では古来より「逢魔が時」と呼んで、人ならざる魔と遭遇するとしてきました。
今回の企画を読んだら、もしかしてあなたも何かと遭遇してしまうかもしれません。
それは向こう側から来た何かなのか、向こう側に行こうとしてる人間なのか。
それとも一度向こう側に行って戻ってきた、何かなのか人間なのかも分からないモノに…。
ほら、今この瞬間にもあなたの後ろから覗き込んでるかもしれませんぜ?
【第一の怪:法に死角は無い】
421 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/04/29 15:53
なんか、警察関係の話が出てたみたいなんで「法と怪異の接点」という観点でひとつ。
先日、親戚の葬式があった。(別に、葬式がらみの怖い話ではないので、悪しからず)
で、そこで検事をやってる叔父と久しぶりに会った。
通夜の席で叔父と2人で酒を飲んでいると、自然と話題は叔父が関わった事件の話になる。
叔父がしたのはこんな話。
 広島のある個人経営の商店の店主が夜半にふと目を醒ますと、物音がする。
 廊下に出てみると、全身黒づくめで小面の能面をかぶった「何か」にでくわす。
 驚いた店主は廊下に立ててあったゴルフクラブを手に取りその能面をめったうちにし、
 その「何か」を階段から突き落とした。
 果たしてその「何か」の正体は能面をかぶった空き巣であり、
 殴打による頭蓋骨陥没骨折、そして階段から転げ落ちたときに頚椎を折って死亡した。
 店主は不法侵入に対する正当防衛が認められ無罪。
 店主いわく。「悪霊かと思った」
僕はその話を聞いて、ふうっとため息をついた。
「丸腰の相手を凶器を持って一方的に殺害しても、正当防衛で通るものなの?」
「場合によるが、通る。」叔父がうなずく。で、このあとの叔父の言葉に、俺は少し震えた。

「そもそも、不法侵入に対する正当防衛は
 法的に、幽霊や化物の存在を暗黙のうちに前提にしている。」



【第二の怪:不採用】
545: 話し手:2011/05/15(日) 04:11:19.30 ID:Assd7la10
15年程前の話なオレはその頃名古屋の大学に通ってて、一人暮らしをしてたわけだ。
親には無理言って一人暮らしさせてもらってる手前、そんな仕送りも要求できないんで、
割のいいバイトを探すことにしたんだ。大学入っていろんなバイトを転々としたんだけど、
これといっていい条件のバイトに恵まれず、一人暮らし諦めようかとか思ってたところに
友人から「とあるバイト」を紹介されたんだ。
それは、新聞の求人情報欄の1コマに掲載されていた地味なバイト。
気をつけて読まないと絶対わからないレベル。条件は明記されてなかったが、
日給弐萬円也の一文が俺の心を突き動かした。即決だった。
雇い主の家に電話をして詳細をたずねると、とりあえず一度会いたいと言われ
先方のお宅へい伺うことに。先方からは「場所が入り組んでてわかりにくいだろうから、
当日は迎えをよこす」と言われたので、当日オレは指定された駅で待機。
雇い主の家族?らしき人が乗ってきた車で雇い主宅まで向かったんだが、
土地勘さっぱりな俺は、途中から場所がすっかりわからなくなって、心配になって運転手に
「いまから向かう先って、俺一人でも行ける場所ですかね?免許まだなんですよ」
と尋ねたところ「ああ、何度も続けてもらうかどうかは娘が決めることだから」とだけ回答が。
そのあとは特に会話も交わさず揺られること50分、市街地を離れ
緑がやや多くなってきた住宅街の一角、やや大きめの一軒家の前で停車した。
雇い主は、その家の奥さんらしい人だったようで、話を聞くと仕事の内容は
至って単純かつ難解なものだった。
その家には一人娘がいるんだが、幼い頃何らかの理由で寝たきりになってしまったらしい。
意識は有るような無いような状態で、こちらの話すことには、若干反応を見せるものの、
言葉や態度で返すことは無いと言うことだった
俺の仕事と言うのは、その娘が退屈しないように話しかけるだけの仕事
返事も期待しなくていい、反応も見なくていい、ただ面白いと思うことを話し、
続けろという奇妙な仕事だったわけだ。
部屋に通されると、そこはあまり広くない和室で、部屋の真ん中に布団が敷かれて
そこに中学生くらいの女の子が寝ている状況だった。
何か奇妙すぎて居心地悪かったけど仕事だしな、ということで早速女の子に挨拶することに
「こんにちは、きょう話し相手のバイトできました○○と言います」まぁ、返事は無いわけだ。
そこは前情報どおりなので気にせずに、とにかく色々はなしかけることにした。
そして2時間くらい独り言を続けているうちに、オレは妙なことに気がついた。
この子の母親らしき人から娘は一人、と伺っていたのに、
なぜか学習机が二つ。そこにかかるランドセルも二つ。
話がネタ切れになりつつあったこともあり、気になったオレはそれをネタに話しかけてみた
「もしかして姉妹とか兄弟とかいるの?オレは一人っ子なのでうらやましいな」
その瞬間、女の子のおなかの辺り、掛け布団の中で何かがはねるように動いた。
いままで人形相手にしてる気分だったオレは、いきなりの反応に驚いてしまい
そのまま女の子の顔を凝視してしまった。しかし女の子は無表情、天井を見つめるだけ。
ただ、掛け布団のおなかの辺りで何かがもぞもぞと動いているのは見て取れた。
掛け布団の中がきになって、ちょっと覗いてみたくて、誰もいない不思議な雰囲気が
さらにその気持ちを加速させて、掛け布団をそっとはがそうと思ったけれど
その土壇場で、やはり痴漢騒ぎでも起こされたらマズイと思いとどまった。
その後も蠢く布団が気になりつつも独り言を続けて、
いつのまにかバイト契約時間も終わり間近に。
「それじゃ、今日はもう帰りますね。また機会があればお話しに来ます」
と返事も期待せずに声を掛けたんだ。実際もう帰りたかったし二度と来る気もなかった。
立ち上がろうとした途端

「なかを みなかった おまえは もういらん」

それまで表情一つ変えなかった女の子が、こちらを見つめながらそう言い放った。
そのときの女の子の目が不気味で、もうそこにいたくないという気持ちが強くて
あとは、バイト代を速攻でもらって帰ることに。
奥さんらしき人からバイト代の入った封筒を受け取るときに
「すいませんね、あの娘があまり気に入らなかったみたいで、継続は無しで」
と言われたんだが、俺もすっかり続ける気はうせていたので、
そのままバイト代を受け取って帰ることに。駅まで送ると言われたんだが、
ソレすらも嫌な気がしてタクシーを呼んでもらい、逃げるように家に帰った。
その後、その家がバイトを募集している記事を見たことはなかったし、
そこに近づこうと思ったことも無い。
ただ唯一心残りだったのは、あの女の子の布団の下に何があったのか、
ソレをもし見ていたらどうなっていたのか。。



【第三の怪:通信】
768 1/2 sage New! 2008/05/06(火) 17:11:00 ID:yda1BBtC0
数年前の古本屋での話
本を売りたいという友人に付き合って大きな古本屋に行った。
神保町とかにある古書店ではなく、漫画から写真集からとにかく沢山置いているチェーン店。
友人は山盛りの漫画本を持ち込んでいて、会計までしばらくかかるとのことだった。
古本屋は利用したことがなかったから物珍しくて広い店内を一人であちこち見て回っていた。
オカルトの面白い本がないかなと思って超常現象と分類されている棚を眺めていたとき、
背表紙が棚の奥向きになっていて題名のわからない本を見つけ手に取ってみた。
落語を楽しもう、というようなタイトルだったと思う。
文字が大きくてイラストが多かったから小学生向けだったんだろうと思う。
載っているのは【じゅげむ】や【饅頭こわい】などの有名どころばかりだったが、
添えられている挿絵が面白かったのでペラペラめくっていた。
【地獄のそうべえ】のところで、余白に「こわい」と走り書きがあった。
地獄のそうべえとは、主人公そうべえが同じく地獄行きになった歯医者・医者・山伏とで、
鬼に食べられそうになったら歯をひっこぬいたりと生前の職を活かして切り抜ける話だ。
コメディだが、子供心に地獄の業火や鬼達のイラストがとても怖かったのを覚えている。
それ見た時、前の持ち主だった子供がそういう思いをしたんだろうと思って微笑ましくなった。
次のページの余白にまた文字が書いてあった。「困っています。よろしくお願いします」
赤いペンで書かれていて文中の「じごく」に丸がしてあった。
その下に掠れた黒い文字で「リョウカイ」、すぐ下に「オワリ」、
その下に赤ペンで「有難うございます」。
なんだこれ?と思いながらページをめくる。するとまた「お願いします」。文中に丸。
そしてその下には「リョウカイ」「オワリ」、赤文字で「感謝致しますお世話になりました」。
やりとりはいくつもあった。
赤い文字は薄かったり蛍光だったり達筆だったりミミズだったり様々だったが、
リョウカイ・オワリの文字だけはいつも黒文字で掠れていて、カクカクしていた。
「頼みます」「リョウカイ」「オワリ」「有難うございます」
「どうか宜しくお願いします」「リョウカイ」「オワリ」「どうも有難うございました」
幾つかそんな書き込みを見た後、物語が終わる辺りに紙が一枚挟まっているのを見つけた。
拡大したのか、黄みが強い荒い画質で、
学ランを着てぎこちなさそうな表情をした少年が写っていた。
その下に少年の名前だろうと思われる写植。
本の余白には走り書き。「お願いします」。文中の「じごく」に丸。
その下には何も書かれていなかった。
友人から会計が終わったとケータイへ電話が入った。本は元のところへ戻しておいた。



【第四の怪:マヨイガ】
603 名前:本当にあった怖い名無し [sage] :2010/11/18(木) 14:37:36 ID:5OHdo9G70
ごめん文章書くの慣れてなくて大した話じゃないのに長くなった。
20歳ちょっとだったか、まだ実家でぷーたろーやってた時。
ウチは物凄い田舎で家のすぐ傍が森とか山みたいな所だったのよ。
そんで何もやる事ないし家にいたら親がグチグチうるせぇからそういう場所をうろついてた。
その時期何かもう何もやる気なくてどーでもいーやーって感じで山道登りながら
自分の事を考えてたらいつの間にか、普段歩いてる山道から逸れて道無き森を彷徨ってた。
今のオレなら絶対取り乱してたけどその時は別に死んでもいいやって気分。

しばらくふらふらしてると何か細い道っぽい所に出て、藁のテントみたいなのと焚火。
そこで着物姿の人間もどき子供とじいさんが二人居た。何でもどきかって言うと、
常に笑顔なのよ。しかも最初から髪なんか無かったかの様なつるっぱげ。
挨拶しても近づいてもとにかく微動だにしないにたーっとした笑みが張り付いてる、
しかも二人とも同じ顔。子供の方は凄まじくお肌つるつるだけど
顔立ちはしわしわのじいさんと全く瓜二つ。血縁と言うより年齢差のあるクローンって感じ。
二人とも昔にタイムスリップした様な雰囲気で
「あ、この二人は人間じゃねーな???」って何となく感じた声かけようか戸惑ってた所で、
じいさんの方が「迷いましたか」って声をかけて来て。トントン拍子に二人の家?で
休んでいく事になった。じいさんは話してても「そうですか」「ゆっくり休んでください」
みたいな事しか言わない無口なんだけど子供の方はやたら口が達者だった。
「何処から来た?」「一緒にコマやろうや!」みたいな事から、
何故か「お兄ちゃんプレステ買ってww」みたいな事も。まぁ普通のガキか。
でもやたらプレステに執着してた以外にコマとか花札とかゲーム関係全般詳しくて
面白い話をいろいろ聞かされたし遊びも付き合った。そんな風に過ごしてたらじいさんが
「どうぞ」ってお鍋で作ってた雑炊の様なものを差し出して来た。
何かね、見てくれはゲロみたいでマズそうなのに
物凄い良い匂いがして食べない気になれない。無理。
食材がいろいろ入ってるんだけど匂いだけで何が入ってるか解る。卵とか肉とか魚とか、
野菜とかとにかく入れるもの全部入れましたよーって感じなのに全てが調和されてる。
全部の食材の味が恐ろしいくらい引き立ってるのに一つの味として成立してるみたいな。
上手く説明出来ないんだけどとにかく美味かったの。
素人舌でもあれは簡単に作れるものじゃないって解る程ね。
他にも華の香りのする酒とか蜜柑と魚の和え物ももらったんだけど全部美味くて、
でも何か切なくなる味でいつの間にか涙が出てた。
そしたらガキが「どうした?」って尋ねて来てその拍子に
今まで家族にも言えなかった事を泣きながら全部話してたw
シクシク泣きながら高校中退したとかいじめられてたとか言ってたら
じいさんが優しく背中撫でながら相槌返してさらに号泣。もう死んでも良いなんて愚痴ったら
「今死んだら極楽に行けないぞ!まだ若いしやり直し効くって!」とオッサン臭い説教を
受けてちょっと立ち直って来た所でおじいさんが麻袋を藁テントから出して来て。
「もうあなたは行きなさい。ここに居たらいけない。……これをどうぞ。」
お土産のつもりだったのかそれをもらって、子供に案内されて山道まで来たら
いつの間にか子供も消えてた。

それから麻袋の中身を確かめたら中身は石鹸。
梅みたいな香りで嗅ぐだけでお腹空きそうな感じ。
石鹸使おうかな、と考えながらも山歩きで疲れたから早々に寝てしまったんだが。
突然深夜物凄い激痛に襲われて「アイツらの飯が当たったかクソー!」みたいな気持ちで
ブリブリしてたんだが止まらない。とにかく中々ウンコが止まらなくて、
治まった頃はもう朝だった。2時間くらい経ってた気がする。
しかもその後、酷い虫歯になったり2、3日熱で寝込んだり、
原因不明の骨折とかが1カ月くらい続いてさすがにあの二人を疑ったんだが。
骨折が治ってしばらくしてから突然酷い眠気とだるさに襲われて
丸2日くらい殆ど眠りっぱなしの状態に陥ってから、
それ以来突然身体が軽くなって、快活な気分になった。
いろんな事がしたいと思い始めて衝動的にバイトやりまくったり。
風俗行ったり毎日走ったり資格勉強したりめちゃくそ元気。
しかもあれから一度も風邪ひいてないんだよな…。
少し経って、忘れてた石鹸の事を思い出してこれも何かあるのかなと思って
おそるおそる洗面台で使ったら。
ボロッ……って消しゴムのカスみたいに手の垢がボロボロ出るトンデモ仕様の石鹸で
勢いで風呂場直行。勢いに任せて石鹸で身体擦るとまた出るわ出るわで、
とうとう濁った油みたいなのまで出てきた。
しばらくその石鹸を使ってから劇的に肌が綺麗になってニキビ肌だったのに
今はつるつるになってる。
しかもそれから常に「○○って良い香りがするよな」とか言われる様になって
やたら友達が増えたりモテた。
今は必死に頑張って、美容師になれたけどそれもあの二人のおかげなのかな。
でもあの二人に出会うのが本当にオレで良かったのか。
そもそもアイツらは一体何だったのかは気になるよ。
あの後また同じ場所に行こうとしたんだけど足が竦んで無理だった。
何故か、今行ったらもう二度と帰ってこれない気がしたから。



【第五の怪:空白の一年】
31 :おさかなくわえた名無しさん :2005/06/27(月) 09:45:58 ID:vLg9Gq2N
2001年の秋
風邪ひいてて寒気がするので、大久保にある病院に行くため
西武新宿線のつり革につかまってた。
で、あたまがぐわんぐわんと痛くて、目を閉じて眉間にしわ寄せて耐えてた。
そこで記憶が途絶えて、気がついたら夕方で、あたりは見知らぬ景色。
買ったことない服着てて、髪染めたこともなかったのに茶髪になってた。
パニクって近くのラーメン屋に入って、ここどこと聞いた。大阪市の福島駅の近くで、
時間が一年近く経ってた。ケータイの種類が変わってた。
アドレス帳には、「ま」とか「ひ」とか、一文字の名前で電話番号が10程度あったけど、
知り合いや実家の電話番号がない。
俺はなぜだか知らないがその知らない電話番号が恐ろしくて、川に捨てた。
警察から実家に連絡した。向こうもパニクってた。俺に捜索願が出てた。
とにかく、帰って、今もまだ月一で精神病院に通ってる。
仕事は元の会社には帰れないみたいだったので、今は派遣やってる。



【第六の怪:瑕疵物件】
683 1/6 sage 2007/11/21(水) 03:29:21 ID:nFp+RS5V0
つい先日の話。
うちは競売にかけられた不動産の調査を請け負ってる会社なんだけど、
こないだ前任者が急に会社に来なくなったとかなんだかで、
やりかけの物件が俺に廻ってきた。
まぁ正直うちの会社は、とある筋の人から頼まれた”訳あり物件”を取り扱うような
ダーティなとこなもんで、こういうことはしょっちゅうだからたいして気にもとめず、
前任者が途中まで作った調査資料(きたねーメモ書き)持って、
遠路はるばるクソ田舎までやって来たわけですよ。
その物件はかなり古い建物らしく、壁とか床とかボロボロであちこちにヒビが入ってたり、
湿っぽい匂いがしたりで、相当テンション下がってたんだけど、
まぁとにかく仕事だからってことで気合入れ直してせっせと調査を始めたわけですわ。
1時間くらい経った頃かな、ふと窓から外を見ると一人の子供が向こうを向いて
しゃがみこんでなにやら遊んでるのに気づいた。
よそ様の庭で何勝手に遊んでんの?って注意しようかと思ったんだけど、
ぶっちゃけ気味が悪かったんだよね、その子。
なんか覇気がないというか微動だにしないというか、一見すると人形っぽいんだけど
しゃがんでる人形なんてありえないし、でもとにかく人って感じがしなかった。
クソ田舎だけあって辺りはありえない位に静まり返ってるし、
正直少し怖くなったってのもある。
建物の老朽化具合からみて3年はほったらかしになってる感じだったので、
そりゃ子供の遊び場にもなるわなと思い直し、
「今日は遊んでも良し!」と勝手に判断してあげた。ひとんちだけど。

んでしばらくは何事もなく仕事を続けてたんだけど、前任者のメモの隅の方に、
 ・台所がおかしい
って書いてあった。調査資料はその書き込みのほとんどが数字(部屋の寸法等)なので
そういう文章が書いてあることにかなり違和感を感じた。
で気になって台所の方へ行ってみると、
床が湿ってる以外は特におかしそうなところはなかった。
でも向こうの部屋の奥にある姿見っていうの?
全身映る大きな鏡に子供の体が少しだけ映ってた。
暗くて良くわかんなかったけど間違いない、さっきの子供だ。
そうか入ってきちゃったんだな。とぼんやり考えてたけど、ほんと気味悪いんだよねそいつ。
物音1つたてないし、辺りは静かすぎるし、おまけに古い家の独特の匂いとかに
やられちゃってなんか気持ち悪くなってきた。
座敷童子とか思い出したりしちゃって。
もうその子を見に行く勇気とかもなくて、とりあえず隣にある風呂場の調査をしよう
というかそこへ逃げ込んだというか、まぁ逃げたんだけど。
風呂場は風呂場でまたひどかった。多分カビのせいだろうけどきな臭い匂いと
むせ返るような息苦しさがあった。
こりゃ長居はできんなと思ってメモを見ると、風呂場は一通り計測されてて安心した。
ただその下に、
 ・風呂場やばい
って書いてあった。普段なら「なにそれ(笑)」ってな感じだったんだろうけど、
その時の俺は明らかに動揺していた。
メモの筆跡が書き始めの頃と比べてどんどんひどくなってきてたから。
震えるように波打っちゃってて、もうすでにほとんど読めない。
えーっと前任者はなんで会社に来なくなったんだっけ?病欠だったっけ?
必死に思い出そうとしてふと周りを見ると、閉めた記憶もないのに風呂場の扉が
閉まってるし、扉のすりガラスのところに人影が立ってるのが見えた。
さっきの子供だろうか?
色々考えてたら、そのうちすりガラスの人影がものすごい勢いで動き始めた。
なんていうか踊り狂ってる感じ?頭を上下左右に振ったり手足をバタバタさせたり
くねくね動いたり。でも床を踏みしめる音は一切なし。めちゃ静か。
人影だけがすごい勢いでうごめいてる。

もう足がすくんでうまく歩けないんだよね。手がぶるぶる震えるの。
だって尋常じゃないんだから、その動きが。人間の動きじゃない。
とは言えこのままここでじっとしてる訳にもいかない、かといって扉を開ける
勇気もなかったので、そこにあった小さな窓から逃げようとじっと窓を見てた。
レバーを引くと手前に傾く感じで開く窓だったので、開放部分が狭く、
はたして大人の体が通るかどうか。
しばらく悩んでたんだけど、ひょっとしてと思ってメモを見てみた。
なんか対策が書いてあるかもと期待してたんだけど、やっぱりほとんど読めないし、
かろうじて読めた1行が、

・顔がない

だった。誰の?
そのときその窓にうっすらと子供の姿が映った。気がした。多分真後ろに立ってる。
いつの間に入ったんだよ。
相変わらずなんの音も立てないんだな、この子は。
もう逃げられない。意を決して俺は後ろを振り返る。そこには…、なぜか誰もいなかった。

会社に帰った後に気づいたんだけど、そのメモの日付が3年前だった。
この物件を俺に振ってきた上司にそのことを言うと、
「あれおかしいな、もう終わったやつだよこれ」
って言ってそのまま向こうへ行こうとしたんで、すぐに腕をつかんで詳細を聞いた。
なんでも顔がぐしゃぐしゃに潰れた子供の霊が出るというヘビーな物件で、
当時の担当者がそのことを提出資料に書いたもんだからクライアントが
「そんな資料はいらん」と言ってつき返してきたといういわくつきの物件だそうだ。
清書された書類を見ると確かに「顔がない」とか「風呂場やばい」とか書いてあったw
まぁこういった幽霊物件は時々あるらしく、出ることがわかった場合は
備考欄にさりげなくそのことを書くのが通例になってるそうだ。
他の幽霊物件の書類も見せてもらったが、なるほどきちんと明記してあった。

なんで今頃こんなものが出てきたんでしょうかね?と上司に聞いたら、
「んー、まだ取り憑かれてるんじゃないかな。当時の担当者って俺だし」



【第七の怪:早産】
545 本当にあった怖い名無し 2009/02/07(土) 22:53:00 ID:ZLdpJ1Y+0
去年の11月の初めころから、家の中にちょくちょく生肉が落ちている。

この間なんかスリッパの中にくちゃっと丸めて入れられていた。
それも、どれも売っている肉とは違って
まだ微妙に皮と白っぽいうぶ毛がついている豚肉みたいなピンクの肉。
俺さ、マンションに一人暮らしなのよ。
こんな気味の悪いいたずらするような同居人、居ないわけよ。
だから、これといって害がある訳ではないけど何だか気味が悪いなー程度には思ってたの。
で、正月に久しぶりに実家に帰ったとき、その話を親に冗談半分で言ってみたのね。
そしたら両親がふざけて、「じゃあギヤマの神さんに一回見て貰おうか」って事になった。
この"ギヤマの神さん"ってのは、俺の田舎の山の中にある神社の拝み屋のばあさんの事。
ナントカっていう神様を代々守り続けて奉ってるから神さんって呼ばれてる。
ギヤマは多分屋号。俺の田舎は誰かが突然居なくなったり、狐憑きみたいになって
暴れまわるようなことになったときは、まず第一にこの"ギヤマの神さん"に見て貰うって
言うのが定石な割と迷信深い村なのよ。
んで、お昼ごろに車走らせて親と神社に行ったんだけど、
そこで"ギヤマの神さん"に見て貰った結果。
「家に落ちてる体の一部(生肉の事)はあんたの元にこれから生まれてくる子供のもの。
 あんたが今まで何をして来たかは私には分からんが、
 あんたのせいで生まれてくる子供の体が削り取られてる。
 生まれてくる子供は五体満足じゃない。でも、きっとあんたの元に生まれてくるよ。」
ってなもんだった。俺も両親もそこまで信心深いわけではないが、多少なりとも焦った。
どうすれば助かりますかってすがりつくカーチャンに対する神さんの返答は非情だった。
「私にはどうする事も出来ん。全てはあんたの息子の業だ。
どうすることも出来ん…関わりとうない…私まで呑まれる…」
俺はその業とやらには何の身に覚えもなかったし、始終(´∵`)こんな顔だった訳だけど、
そのまま文字通りどうする事も出来ずに実家を後にして数週間がたった一月の終わりごろ。
付き合ってた彼女の妊娠が判明しちゃった。

今でも家の中には時々生肉がへばりついてる。
俺は一体どうすればいいんだろうね。誰か助けて。



【第八の怪:忠告】
313 名前:監視小屋 投稿日:01/09/23 02:37
私の通っていた高校は築120年という気合の入りようでした。 改築が繰り返された校舎は、
素人目に見ても奇妙としか言いようの無い形に湾曲しています。
今では珍しくなった平屋であるにも関わらず階段があり、
廊下のどん詰まりの壁際際から天井に向かって伸びています。
その他にも玄関入ってすぐにある音楽室や、ドアが埋め込まれて立ち入れなくなった教室。
(外から見るとベニヤ板で物々しく目張りされています)
その中でも奇妙極まりないのは「監視小屋」なるものがあるということです。
私は遠方から通っていた為、時々地元の友人の家や先生の社宅に
宿泊させてもらうことがあったんですが、たまたま泊めてもらえるあてがなかったその日、
「監視小屋」に泊まることにしました。監視小屋は一見、ただの民家のようです。
八畳一部屋で古い型の電話、小さな台所があります。
そしてここがなぜ「監視小屋」と呼ばれているのか、
私はその晩、身をもって知るに至ったのです。
小屋には私のほかにもう独りの友人が一緒に泊まることになっていて、
私たちは修学旅行ののりではしゃぎながら布団を敷いたりしていました。
夕食を取りながら談笑しているとき、突然電話が鳴りました。
何事かとびくつきながらも電話に出ると用務員のおじさんで、
女子生徒二人と言うこともあって心配してくれているようでした。
はしゃぎ過ぎないように色々と注意を促され、電話を切ろうとすると
「あぁ、忘れていたけど・・・西側の窓のカーテンは必ず閉めて寝なさい」とのこと。
そのときは「はぁい」と生返事で電話を切ったのですが、
よくよく考えると意味が分かりません。学校の裏手にあたる墓地はその方向でないのに、
おかしいねと話しながら友人は何の気なしにそのカーテンを開けました。
そこには麻縄で禍々しく祭られた、古びた井戸がありました。

丁度コの字型になった校舎と小屋に阻まれていて、
今まで目にする機会の無かったものだったのに一瞬ゾクリと悪寒が走りました。
「なんか気持ち悪いね」などと言いながら、
私たちは一つの布団にくっつくようにして晩は眠りについたのです。
どれくらい眠ったのか・・・私は肩口の寒さに身体を震わせて目を覚ましました。
ふと見ると友人の姿がありません。小屋にはトイレがなかったので、
教員寮の方に借りに行ったのかと思い、しばらく待ってみましたが戻ってきません。
ドアを開けて外の様子を伺ってみましたが、
校舎のほうからも教員寮からも戻ってくる気配はありません。
「何処行ったんだろう・・」と不安に駆られながら部屋に戻った私は、
本当に何気ない気持ちで先の窓のカーテンを開けてみました。
下着姿の友人は、井戸の側にいました。そして腰の辺りに手をやってゴソゴソしています。
「なぁんだ、裏で用を足すつもりなのか」と呆れながらカーテンを閉めかけた私は、
ふと奇妙な感覚に囚われてもう一度井戸の方に目を向けて声を上げそうになりました。
ゴソゴソしていたと思っていたのは、腰に縄を巻きつけていたのだと気づきました。
そして今はしゃがみこんで縄の先に大きな石を括りつけています。
私は声も出ませんでした。すると今度は井戸からぬるりと白い手が伸びてきたのです。
手は何かを探るように蠢いて、やがて近くの麻縄を掴みました。
友人は深く頭を垂れて項垂れ、最早何の反応も示しません。
縄を掴んだ手はずるりずるりと石を手繰り寄せていきます。
私は夢中で叫んだつもりでしたが、声が出ませんでした。

「あぁ・・Aちゃんが連れていかれる・・っ!!」
そう思ったとき、闇を劈いてけたたましく電話のベルが鳴りました。
私はその音と同時に、敷いてあった布団に尻餅をつきました。
そのとたんに金縛りのようだった身体がふと軽くなるのを感じ、
気がつくと裸足で外へ飛び出して井戸の側の友人のところへ駆け寄りました。
放心状態の彼女を何とか小屋まで運び込み、どれくらい呼びかけていたでしょう。
しばらくすると友人は我に返り、泣き出しました。恐怖から解き放たれた私も
一緒になって泣き出しながら、とりあえず誰かに助けを求めようと電話を引っ掴みました。
そのとたん私はしがみついていた友人共々、又しても布団に尻餅をついたんです。
受話器ごと掴んだ電話機はガワだけで、
電話線が繋がるどころか中の機械部分が空っぽだったのです。

後から聞いた話によると開校当時、
なぜかこの井戸に身を投げて自殺を図る生徒が後を絶たなかったため、
埋め立てようと試みたのですが関係者が相次いで亡くなるなどの不幸が続き、
結局は埋め立てを断念。改築を重ねて井戸が人目につかないようにしたそうです。
それでも何処からとも無く身投げをする人が現れるので、
それを監視する為に人を置く「監視小屋」が設置されたのですが、
小屋に在駐していた監視役の男性も井戸に身投げを図り、
小屋と井戸がそのまま放置される結果になったのだということです。
「カーテンを開けるな」と忠告した電話は、いったいどうやってかかってきたのでしょう?
そして彼は、果たしてその監視役の男性その人だったのでしょうか。



【第九の怪:通話】
294 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2011/06/18(土) 20:05:45.35 ID:5X8VrCEz0
山仲間の話。
そろそろ日が暮れようかという頃合。一人辿っていた林道で場違いな物を見つけた。
道の真ん中に落ちていた物。それは古い型の携帯電話だった。
近よった途端、いきなりその携帯が音を上げて震えだした。
ミッキーマウスのテーマ。
どうやら着信があったらしい。
てっきり電池が切れていたと思った携帯が鳴ったのにも驚いたが、
それ以上にこの山奥で受信出来ていることに驚く。どこの電波拾ってるんだろう?
拾い上げてみたが、発信者名は文字化けを起こしていて読めない。
どうしようか迷っていると、電子音がして勝手に通話状態になった。
えっ、俺何もしてないぞ?
「・・・」
声は聞こえないが、何か息遣いのような音が聞こえてくる。
仕方ないと覚悟を決めて、「もしもし?」と話し掛けた。
「・・・ぞ」
「もしもし? よく聞こえませんが。この携帯は落ちていた物で・・・」
掠れた声相手に事情を説明していると、突然鮮明な大声がスピーカーから流れ出た。

「見つけたぞ」

理由もなく、背筋がゾッと寒くなる。携帯を投げ棄てるや否や、後ろの山に気配が湧いた。
何か正体がわからないモノが、嫌な気を発しながら駆け下りてくる、そんな気配。
大きくて重たいモノが、自分目指して真っ直ぐに向かってくる、そんな気配。
理由はわからないが、何故かそう確信してしまった。
暗くて足元も定かでなかったが、それでも必死に林道を駆け下りた。
追ってくるモノが何かはわからない、しかしアレに捕まっては絶対に駄目だ。
何度も転げながら、いつしか泣き出していた。距離を詰められて来ているのがわかった。
このままでは追いつかれる!いきなり目の前の林が切れて、舗装道路に出た。
新しく付けられた道まで駆け下りてきたのだ。運良く、丁度通り掛かった軽トラックがあった。
天の助けに思えた。身体を張って何とか車を止め、乗せてもらうことに成功する。
彼を乗せた車がスピードを上げるにつれ、後ろの気配は鎮まっていった。
やっと安堵の溜息がつけた彼に、様子を窺っていた運転席の老人が話し掛ける。
「お前さん、一体どうなすった?まるで鬼にでも追いかけられたような顔をしてるよ」
説明しようとして、一瞬言葉に詰まる。こんなこと、果たして信用してくれるだろうか?
少し迷ってから、結局洗いざらい話すことにした。
老人は不思議そうな顔をしたが、それでもこう教えてくれた。
「それが本当ならば、しばらくこの山に登らん方がええ。
奥に何がおるのかわからんが、そのモノとお前さんには今、縁が出来とる。
言葉を交わしちまったことで繋げられたんだろう。
目を付けられている時は、危ない行動は控えるモンだ」
そう言ってから、親切なことに最寄りの駅まで送ってくれたという。
それ以来、彼は老人の忠告を守り、その山を避けているそうだ。



【第十の怪:開かずの間】
756 1/10 2007/09/28(金) 13:29:13 ID:NDrdCohZ0
長い話になってしまいました。時間のあるときにでも、読んでください。
うちの会社には、開かずの間がある。嘘みたいなほんとの話で、確かにある。
会社は3階建て。その3階の端に資材倉庫があり、その倉庫の奥に、扉が設置されている。
新人の頃、資材を取りに倉庫に行った際にドアの存在に気付き、
当時の先輩に聞いてみたが、「気にすんな。」の一言で片付けられた。
会社の外から見てわかったが、そのドアの先には部屋があるようで、窓も付いている。
常にカーテンが閉められていて中は見えないが。
不思議に感じたが、まぁ倉庫の一部だろう、と思っていた。
1ヶ月ほど前、我が部署に新人のKが配属された。
4月からの研修を終え、正式に配属されてきたピカピカの一年生。
新人ということで、俺の時と同じように色々と雑用を頼まれることもある。
ある日、その新人のKが俺に質問をしてきた。
K「○○さん(俺の名前)、あの、この前資材倉庫に行ったんですけど・・・」ピンときた。
俺「あぁ、あの扉のことか?」
K「そう、そうです。何ですかね?あの扉。奥の部屋も倉庫なんですか?」
俺と同じだ。なんだか微笑ましい。
俺「あれな、俺もよく知らないんだ。昔、俺も聞いてみたら、気にすんなって言われたよ。」
K「そうですか・・・。カギ掛かってるみたいなんですが、倉庫のカギで開くんですかね?」
俺「どうだろうな。試したこと無いけど。倉庫なら開くんじゃないか?」
K「うーん・・・今度行ってみるかな。。」なかなか好奇心旺盛なヤツだ。
俺も何か気になるので、中に何かあったら教えてくれよ、と言っておいた。
その翌日。またKがやってきた。
K「○○さん、ダメでした。あれ、倉庫のカギじゃ開きませんよ。」
どうやら、あの後すぐ開けに行ったらしい。
俺「そうか、ダメか。じゃあ別のカギがどこかにあるんだろうな。」
K「いえ、違うんですよ。あの扉、こっちからは開けられないみたいなんです。」俺「ん・・・?」
K「カギは掛かってるみたいなんですが、こっちからのカギ穴なんて無いんですよ。」
俺「な・・・?。じゃあ、あれか?内側からカギが掛かってるってことか・・・?」
K「そうなりますかね・・・。」
嫌な悪寒を感じた。内側から掛かってるカギ。ということはどうなる?
カギを掛けた何者かが、あの部屋に居るってことか。まぁ、あり得ない構造ではない。
でも何か引っ掛かる。K「何ですかねぇ。誰か専用の個室なんですかねぇ。」
俺「まぁ閉じ込められてるって訳じゃなし、そいつの意思で自由に出入りはできるからな。」
と言って、自分で気付いた。
K「そうですねぇ。自閉症か引き篭もりの人でも居るんですかね〜。」
俺「いや待て、おかしいな。」K「何がです?」
俺「その扉はそいつが開けられるとしても・・・あの倉庫、内側からカギは開けられないだろ。」
全く不可解だ。奥の扉は内側から開けられるが、倉庫自体の扉は開けられない。
倉庫のカギは、資材を取り出す時以外は、常に閉めることになっている。
つまり、そいつは倉庫に閉じ込められていることになる。
K「あ・・・そうなりますね。そうだ、それに・・・あの部屋、夜、外から見ても
明かり点いてたことないですよね。」そうだ、確かに。残業で夜遅く帰るときでも、
あの部屋から明かりが漏れていたことなんてない。カーテンの隙間はあるのに。
K「気になりますね・・・ちょっと調べてみましょうか。」俺「うーん、まぁほどほどにな。」
翌日から、俺は出張だった。ユーザーにペコペコ頭下げて、接待しつつマズイ酒を飲んで、
本社に戻ってきたのは3日後だった。
帰ってきた俺が聞いた最初のニュースは、Kが会社に来ない、という話だった。
そしてその翌日聞いたのは、Kが1人で暮らしてるアパートにも居ない、という話だった。
実家にも帰っておらず、結果、Kは行方不明となった。
当然、俺はあの倉庫の扉が気になった。
しかし出張から帰りたてで、書類整理に忙しかった。それで気付くのが遅れた。
出張に行った翌日、Kからメールが来ていた。気付いたのは帰ってきてから3日後だった。
出張先でも特定の送信者からのメールは受け取れるようにしているが、
Kは新人であったため、受け取る対象にしていなかった。まぁ・・・言い訳だ。
メールは一文だけで、こう書かれていた。
K『あきました』

あれから数週間経つが、Kはいまだに見つかっていない。
俺は、もう倉庫には行かないようにしている。あの扉が原因なのかどうかは分からないが、
何か関わっていると、俺は確信している。
先日、昔俺が扉のことを聞いた先輩に会った。
今は支社に勤めているので、会うのは数年ぶりだった。俺はKの話をしてみた。
すると、先輩は扉のことを教えてくれた。要約するとこんな感じだ。
・10年くらい前にも、扉に関心を持った社員が行方不明になっている(先輩の同期らしい)。
・ここは場所が悪い。霊が集まり易い場所だ、と聞いたことがある。
・会社の設立時、特別な部屋を作り、そこに” 何か” を置き、誰も入れないようにした。
・何が置かれているかは知らない。社長は知ってるかも?(当然聞けない)
御神体だとか、怪しげな壷だとか、中には生贄を捧げた、なんて噂もあった。
話を聞いて、俺は疑問に思ったことをぶつけてみた。
俺「なんで扉を付けたのでしょう?」先「部屋なんだから、扉がないとおかしいだろ?」
最もなことを言われた。確かに”部屋”というものなら、それは必要かも知れない。
更にもう1つ聞いてみた。俺「じゃあ、窓は?なくてもいいですよね?」
先「・・・」先輩はしばらく黙ってしまった。そして、こう答えてくれた。
先「誘き寄せるには、必要なんだろ。
  お前、もうあの窓見るなよ?何か見えても、見なかったようにしろ、な。」
俺の頭には、あの窓からKが呼んでいる絵が浮かんだ。

窓側の道を通るたび、俺は視線を感じる。
いつか見上げてしまいそうな気がする。
耐え切れず、俺は転勤願いを出すことにした。先輩と同じように。



【最終怪:魔天を開ける】
35 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/06/11(水) 23:59:01 ID:A2lg6WN+0
鬼門を開ける方法
本当に、人生が嫌になったらこれを試してください。
1:秋葉原駅から日比谷線に乗り、茅場町駅で降りてホームを八丁堀方面に
  行くと、鉄格子の下に塩がおかれてるので、それを足で蹴散らしてください
2:そのまま東西線に乗り換え、高田馬場駅で降りてホームを西武新宿線乗り換え方面に
  行くと、鉄格子の下に塩がおかれているので、それを足で蹴散らしてください
3:そのままもう一度東西線で茅場町駅で降りて改札をくぐり、
  4a出口の階段の下に米を10粒たらしてください
4:そのまま日比谷線の茅場町駅に乗り、築地駅で降りてホームを築地本願寺方面に
  行くと、鉄格子の下に塩がおかれているので、それを足で蹴散らしてください
5:そのまま日比谷線に乗り、目を閉じてあなたが一番したいことを考えながら
  手を組んでそのまま乗っていてください。

49 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/07/10(木) 20:03:42 ID:Uhl0wg6pO
仕事終わりで暇だから、ちょっと35を実践してみるテスト
てか、本当に塩があってビビッタ。これマジで何の塩?おせーて


                ↓
11日朝、東京・目黒区の会社社長宅のプールで、若い男性が血を流して死亡しているのが
見つかりました。 警視庁は、男性が事件に巻き込まれた可能性もあるとみて慎重に調べています。
11日午前6時20分ごろ、目黒区東山の会社社長宅の庭にあるプールで、「若い男性が
頭から血を流して死亡している」と、この家の住民の女性から110番通報がありました。
警視庁の警察官が駆けたところ、水が入っていない庭のプールで、男性が白っぽいシャツ姿でうつ伏せに倒れていて、まもなく死亡が確認されました。
男性はこの家の住民ではないということで、警視庁は男性の身元確認を急ぐとともに、
事件に巻き込まれた可能性もあるとみて慎重に調べています。
現場は東急東横線・中目黒駅からおよそ500メートルの閑静な住宅街で、豪邸が立ち並ぶ一角です。(11日09:26)

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  • 2016.08.26 Friday
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