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  • 2016.08.26 Friday
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【2013早春ver】「死ぬ程ではないが結構洒落にならない怖い話」私的選集。


当ブログでは「正月:初笑い/VOW画像特集」「年末:心の大掃除泣けるコピペ特集」など、
毎年決まった時期に行う恒例企画みたいな特集記事が幾つかあるんですが、
その一角を担ってる企画に、お盆時期にだけ開催する「怖いコピペ特集」ってのがあって。
だがこれがズレにずれ込んで、2011年度版は真冬のど真ん中に開催、
2012年度版に至っては影も形も見当たらないという、なんともなぁ…みたいな展開で。
いやぁ〜参ったなぁどうすっかなぁ…冬にまたやろうと思ったけど、もう春だよ…
いかん、これじゃいかんぞPOO君!君がホラー好きだというのは口だけかね!?えぇ!!?
映画のレビューも結構だが、君の本分はソコでは無いハズだ!!
君のチョイスを愉しみに待っているかもしれない読者の気持ちはどうなるんだッ!!!
去年の秋頃から四十路の脳内では、こんな窓際族POOとモーレツ社長めいた人物との、
日々叱責される妄想劇に絶賛取り憑かれ中だったりするんだなぁ、マジ(病気
今月は来週辺りから忙しくなるスケジュールが見えて、多分更新が止まる感じなんで、
今のうちに自分の脳内御祓いを兼ねて、春だけど怖い話大会やっちゃいますか!と奮発。
いやぁお待たせしました、2年越しの「怖いコピペ」企画の復活でございまっス。

いちおうですな、毎回怖いコピペをPOOが決めたテーマに沿って蒐集しておりまして、
上記、過去3企画については09年度は初心者編「結局一番怖いのは人間だよね」が主題。
10年度は中級者編として「…でも人間以上に怖い何かってヤッパいるよね?」が主題。
11年度は上級者・入門編として「彼岸(異界)と此岸(現実世界)の境目」を主題に。
で、遅れに遅れた12年度版の今回は引き続き、上級者・入門編ver2として、
彼岸と此岸が入り乱れ、そこかしこに恐怖が潜み棲む「逢魔ヶ時」を主題にし13話構成。
話数が少なくなってきてるのは、一話あたりの行数が長くなってきてるからで。
サクッと流し読みしたい人は過去企画の方がオススメかもです。

オカルト好きな人ってのは恐怖の正体について、各自の見解を持ちたがるんですが、
POO的には極一部の例外を除き彼奴らは基本、己のテリトリーから動けないと仮説してて。
自分の力が及ぶ範囲に留まる傾向があると睨んでるんですな、ひらた〜く解説すると。
いや、その領界を越えて動く場合もあるんですよ?逆鱗に触れた場合とか。
でも基本的には自分の動く範囲を自ら好んで律してる節があるんじゃないかと思うのです。
普段なら其処は異界であり鬼門の向こう側、人間風情が行こうとして往ける領域じゃない。
ないハズだけど、その境目が揺らぐ瞬間ってのが必ずあったりする。
逢わないはずのモノと出逢ってしまったり、居ないはずのモノを視てしまったりする瞬間。
その瞬間、世界の境目が揺らぐ時間を昔から人間は「逢魔ヶ時」と呼び恐れてきたのです。
人間と彼奴らの世界の境目が歪んだ時の話を、主に蒐集してお披露目。
知らず知らずのうちに彼岸の領域に踏み込んでしまった恐怖を、どうぞ御堪能くだされ…。

【第一の怪「ホームページ」】
673 名前:1/2:2005/07/25(月) 19:25:59 ID:A1yx0U860 
自分(女)の名前で検索をかけてみた。
すると十数件、同姓同名の人たちが検索に引っかかった。
研究者や会社の経営者、同じ名前でありながら全然別の生活をしている人たち。
その中に「○○○○○(自分の名前)のページ」というHPがあった。
それはプロフィール、BBSだけの初心者が作った感じのよくある個人のHPだった。
プロフィールを見ると、自分と同じ歳であり、趣味なども良く似ている。
BBSなどを見ると、常連っぽい人が5〜6人いるらしく、
この手のHPとしてはまあまあ流行ってる感じだった。
何となくお気に入りにして、時々見るようにした。

しばらくすると、コンテンツに日記が増えた。
日記は、まあ、そのへんのサイトによくある内容の薄い日記だ。
今日は暑かったとか、日本がサッカー勝ったとか、そんな感じの
ある時、日記の内容が自分の生活とよく似ていることに気づいた。
始めに気づいたのは野球観戦に行ったときだ。
その日、そのサイトの管理人も同じ球場に行ったらしい。
その時はもちろん偶然だなとしか思わなかった。
球場には何万人もの人間が行くのだから。

次の日の、日記は会社でミスをしたことについて書いてあった。
私もその日、会社でミスをして少々落ち込んでいた。
次の日も、その次の日も、
よく見ると日記の内容はまるで自分の生活を書かれているようだった。
大半は「カレーを食べた」とか「CDを買った」など対した偶然ではない。
しかし、それが何ヶ月も続くと気味が悪くなってきた。

ある日、掲示板を見ると、常連たちが管理人の誕生日を祝っていた。
その日は私も誕生日だ。
それでいよいよ怖くなってきて初めて掲示板に書き込みすることにした。
しかし、書き込みしようとしても、名前や内容を書くところに文字が打てない。
色々やってみるが書き込めないどころか文字すら打てない。
「おかしいな?」と思っていると、あることに気づいた。
それは掲示板ではなく、ただのページだった。
つまり、一人の人間が掲示板っぽく見せかけて作った一つのページだったのだ。
「いったい何のためにこんなこと…」とすごく怖くなり、管理人にメールを打った。
「初めまして。私は貴方と同姓同名の人間で、よくこの〜」
のような当たり障りのないメールだ。
そして次の日、そのページを見ると、全て消されていた。
メールボックスには一通
「見つかった」
という返信があった。




【第二の怪「誰何」】
456: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 15:13:53.72 ID:n/oZKXe90
昨日iphoneのバウリンガルというアプリをダウンロードして遊んでたんだ。
自分はダックスフンドを飼っていて比較的おとなしい感じ。昨日の夜8時ぐらい。
飯を食べ終わって一息つこうとしたら犬が玄関に吼えていた。
興味本位でバウリンガルで遊んでみたら。
「お前誰だよ」
って出た。
自分一人暮らしだし誰も招いた覚えはない。
怖すぎて全然寝れてない。




【第三の怪「神事」】
889 本当にあった怖い名無し 2009/08/17(月) 08:55:15 ID:a0/zsdaQ0
俺の田舎の祭りに関する話を投下します。
俺は神戸に住んでいるんだけど、
子供の頃、オヤジの実家である島根の漁師町へ良く遊び に行ってた。
9歳の時の夏休みも、親父の実家で過ごした。
そこで友達になったAと毎日遊びまくってて、毎日が凄く楽しかったね。
ある日、Aが神社に行こうって言いだしたのね。
しかも、神社の社殿の中に入ってみようぜって。
この神社についてまず説明させて下さい。
神社は山の上に立ってて、境内にまず鳥居がある。山から麓までは階段が続いていて、
麓にも鳥居。それから、鳥居からまっすぐ海に向 かうとすぐに浜に出るのだが、
浜辺にも鳥居が立ってるの。つまり境内から海まで参道がまっすぐ続く構造。
ちなみに神明社。

話を戻すと、俺はAについていって麓の鳥居の前まで来たんだけど、
神様の罰が怖かったのと、なんだか妙な胸騒ぎと言うか、
嫌な感じがしていたから行かないって言った。Aにはこの弱虫とかさんざん言われて、
癪だから随分迷ったんだけど、結局俺は行かなかったのね。
それで、20分ほど待ってたら、Aは戻ってきて
「つまんなかった。社の中にはなんもない、鏡があるだけ。」と言っていた。
なんだ、そんな物かと俺は、ほっとした。
次の日には、Aから弱虫呼ばわりされたのもケロリと忘れて、Aとやっぱり遊びまくってた。
楽しい夏休みもいずれ終わる。家に帰る時、Aは見送ってくれて、再来を約束した。
A「またな、来年も絶対来いよ。」
俺「おう。約束する。」
で、次の年の夏休みも島根に来たんだけど、俺は御馳走されたスイカを食べながら、
俺「明日は、Aと遊びたい。」 と言ったら、ばあさんと叔父さんの顔が急に曇ったのよ
(ちなみにじいさんはずっと前に亡 くなってます。)。

叔父「あのなあ、お前はA君と仲良かったから黙ってたんだけど、実はA君は死んだんだ。」
俺「えっ」
叔父「夏休みが終わって、三日程してかな、海でおぼれちまって……。」
もう俺はショックだった。
昨年の事を思い出して、もしかしたら神社の罰かもと思ったけど、
まさか社殿に入っただけで神様が祟り殺すはずはないよなーと思い直した。

それから、話が飛んで、俺が大学生の頃、オヤジが亡くなりました。
オヤジが亡くなった年の12月初旬に叔父さんから電話があって、
大晦日から元旦にかけて行う、オヤジの地元の祭りに参加しろとのことだった。

俺「おっちゃん、俺、神戸なんだけど。交通費もかかるし、参加しなくてもいいでしょ。」
叔父「馬鹿、お前、兄貴が亡くなったから、お前が本家の当主だぞ。
   ○○(俺の名字)の本家が祭りにでないなんて、絶対に駄目だ。
   兄貴も毎年参加して、元旦に神戸へUターンしてただろ。」
俺「おかげでお袋は、その祭り、本当に参加しなきゃいけないの!
  って毎年ぷりぷりしてだけどね。」
叔父「ああ、言い訳は良いから。」
と言われて、しぶしぶ祭りに参加させれる事にちまった。
当日、大晦日の20時に付くと、叔父さんがイライラして待っていた。
叔父「おせーぞ。19時には着くって言っただろ。」
俺「ごめんごめん、松江で鯛飯食ってたらから、
  でも祭りは21時からだから、十分間に 合うでしょ。」
叔父「馬鹿、潔斎する時間を考えろ。」

俺は潔斎と言われて驚いた、そんなに本格的な神事なのか?
俺は慌ただしく、風呂場で潔斎して、オヤジのお古の家紋入り羽織袴を着せられ、
祭りの会場の浜まで走って向かっ た。浜には、やはり羽織袴の人達がいっぱいいる。
この祭りは女人禁制どころか、各々の家の 家長しか参加が認められいないものらしい。
時間が来たら、神主さんが海に向かって祝詞を唱えて神様をお迎えする。
後は参道を通って、境内まで神主さんを先頭に、松明に照らされてぞろぞろと行列。
神様を社殿に鎮座させた後は、能や神楽等が催されて、
一晩中、飲めや踊れやの大騒ぎで一晩過ごす。
飲みまくるのは神人共食神事?って奴かな。

酒飲んで良い気分になってふらふらしてきた頃、社殿をぼーと見てたら、
なんだかおかしい事に気付いた。注連縄なんだけど、左が本、右が末になってる。
つまり、逆に付けられ てんだよね。
なんだこりゃ、と思いつつも酔ってたから、余り深く考えなかった。
次の日、なんとなく気になって、叔父に注連縄の事を尋ねてみた。

俺「ねえ、神社だけどさ、注連縄逆じゃない。」 
叔父「なに、お前、そんな事も知らずに祭りに参加してたのか。」
俺「だって、オヤジも教えてくれる前に死んじゃったし、
  おっちゃんも教えてくれてないでしょ。」
叔父「そうか……、すまんな、じゃあ、きちんと説明しておくか。」
俺「頼むよ。」
叔父「あの神社なあ、神明社で天照大御神を祭ってある事になってるけど、実は違う。
    ご祭神はもっと恐ろしい物だ。」
俺「えっ、そうなの。」
叔父「明治時代に、各地の神社の神様が調査されたんだけど、役人がこの土地に来た時、
    単に土地の者は、神様って呼んでただけで、神様の名前は知らなかった。
    何しろ昔の人間は神様の名前なんて、恐れ多くて知ろうともしなかったし、
    興味もなかった。それで、役人が適当に神明社ってことにしたらしい。
    こうやって、各地の無名の神様が記紀神話の神様と結びつけられてったんだな。」
俺「じゃあ、何の神様か解んないんだ。」
叔父「いや、名前が解らんだけで、どんな神様かは解る。お前、御霊信仰って知ってるか。」
俺「知ってる。祟り神とか、怨霊をお祀りして鎮めることで、良い神様に転換して
  御利益を得るやつでしょ。上御霊神社とか天神様とか。……まさか。」
叔父「そうだよ。海は異海と繋がってるって言われるだろ、
    だから、良くない物が時々海からやってきてしまう。
    特にここら辺は地形のせいか、潮のせいか、海からやってきた悪霊とか悪い神様が、
    あの浜には溜まりやすいらしいな。
    それが沢山溜ると、漁に出た船が沈んだり、町に溢れて禍をもたらしたりする。
    だから、溜る前にこっちから、神様をお迎えして神社に祭る。
    それが祭りの意味だよ。」

叔父さんは続けて語った。
叔父「だから、注連縄はあれであってる。」
俺「えっ、どういう事。」
叔父「注連縄って、穢れた人間が神域に這入ってこれない様に、
    つまり外から内に入れない様張り巡らすもんだろ。」
俺「そうだね。」
叔父「あの注連縄は逆。内から外に出れない様に張り巡らされてる。
    つまり神様が外に出れないように閉じ込めてんだよ。」

俺は昔を思い出してぞっとしたね。
昔、Aが社殿に入り込むと言う事がどれだけ無謀で危険な行為か理解できた。
Aはむざむざ外に出れないように閉じ込められている悪霊、悪神の巣に入って行った訳だ。
もし俺があの時、Aの話を断れずについて言ってたらと思うと……。 
背筋が凍りついて、気が付くと手に汗でじっとりと濡れていた。
長文スマン。最後まで読んでくれてサンコス。




【第四の怪「掟」】
267 :本当にあった怖い名無し:2011/06/17(金) 22:27:58.93 ID:hhj9Q/2eO
今は亡き婆ちゃんから聞いた話
婆ちゃんが曾婆ちゃんとか、先祖から言われてきた事
「山には絶対に鏡を持ち込むな」
山は人ではないモノに逢う事が多いが、通常は気付かないフリでノープロブレム
でも鏡はKYな存在で、異なる存在同士を結び付けてしまう力があるらしい
婆ちゃんが先祖から言われたのが、
「山で鏡に自分自身を写した時、昼なのに背景が夜になってたら手遅れだ」
既に自分の存在が「人とは異なるモノ」の世界に取り込まれているらしい
そういう時に、「神隠し」が起こるらしい

さらに言うと「完璧な神隠し」というのがあって、
この場合は居なくなった事、もともと居たという存在を消されるらしい
たぶん山での遭難を避ける戒めだと思うが、この話を聞いた時は正直怖かったな




【第五の怪「不動産屋」】
745 本当にあった怖い名無し sage 2012/01/10(火) 03:23:34.01 ID:GoyeSl3H0
去年、母とランチをとった商店街が気に入り、
冷やかし程度に商店街の不動屋さんの物件チラシを見ていた。
すると、不動産屋さんのおじさんが、良かったら中でどうぞとおっしゃったので、
お言葉に甘えて店内へ。
冷やかし半分だったので、2LDKで7万前後(それなりに都心です)、
ペットも可能であればなおよしという無理難題をふっかけた。
すると、データベースを見ていたおじさんが
「あれ…?あ、ああ、ありましたよ、一軒!今すぐ見に行けますがどうですか?」
暇だったので承諾する私たち。
不動産屋からは3分の距離。それなりに賑やかな商店街、駅からともに近い。
日当たりもいいという。いやがおうにも期待が高まる。

しかし建物の前に着くと、どうも嫌な予感がする。
母に至っては鳥肌を立てている。
やっぱりやめましょうと声をかけるも、不動産屋はずんずん進んで行く。
部屋のドアの前についた。
中は見なくていいです、という私たちを無視して不動産屋はドアを開けた。
生臭い匂いがムッと流れ出る。三年は入居者がないという。
その部屋のウリを話しながら、不動産屋は雨戸を開ける。
墓場が見えた。
私は不動産屋の進行方向の反対に進み、風呂場がバランス釜だしなーと言いながら
風呂の蓋を開けた。ドス黒い液体が溜まっていた。
へぇ、ふぅん、なかなか…適当な相槌をうちながら西の窓を開ける。
階段が見えるはずの風景には、電車が走っていた(駅と正反対)。
その後も、トイレに生首、天袋に生首、キッチンの収納に腕…いろいろ見えて、
私たちは顔を真っ青にしてその部屋を退却した。
残念ですが、この部屋はやめておきます。
そう告げた瞬間、不動産屋は舌打ちをして、私たち親子に塩を撒いて追い出した。
終わり。

746 本当にあった怖い名無し sage 2012/01/10(火) 03:38:57.46 ID:GoyeSl3H0
ああ、一番怖いとこ言うのを忘れてた。
その翌週また母と同じ駅でランチをとったのだが、
その不動産屋が跡形もなくなくなっていて、喫茶店になっていた。
えっ…と思いながらその古びた喫茶店に入ると、
店主がこれまた古びたメニューを持ってきた。
恐る恐る聞いてみると、その駅には不動産屋はないという。
そして、その喫茶店には例の不動産屋を訪ねてやってくるお客が、たまにいるらしい。




【第六の怪「百物語」】
433: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 00:40:26.74 ID:w9wb6nmw0
少々長いので、分割して書きこませてもらいます。
もう十数年前、大学生だった私は、部活の夏合宿(と言う名目の旅行)に出かけ、
その帰り、大学の合宿施設の近くに実家のある先輩に誘われて、
地元の花火大会を見学していた。
花火大会の後、会場近くの河原で買い込んだ花火を楽しみ、
そのまま先輩の車に同乗させてもらい、東京に帰ることになった。
河原で花火を楽しみ、しばらく休んだ後の出発だったので、
時間は、12時を過ぎて、1時になろうとしていた。
今から考えれば危険極まりないが、若さゆえか、誰もそんなことを気にしていなかった。
「先輩、運転疲れたら行ってください、俺ら変わりますから。」
「おお、そんときゃたのむは。ま、高速乗るまでは、道知ってんの俺だけだし。
 高速まではゆっくり行って60分位だし、高速乗った最初のSAで、
 運転変わってもらうかも。でもぶつけるなよ。俺の愛車。」
「大丈夫ですよ。」
皆で(と言っても、先輩、私含め4名でしたが)先輩の車に乗り込み、出発します。
運転席に先輩、助手席にA、私ともう一人のBは後ろ座席です。
走り始めて10分〜15分ぐらいで、車は山道に差し掛かり始めました。
この道を越えるとインターがあるとのこと。

434: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 00:41:24.39 ID:w9wb6nmw0
「知ってるか?この辺りにはさ、神隠しの伝承があるんだ。」と先輩が話し始めます。
「ああ、俺の田舎でも、そういう伝承のある山がありました。」とB
「ああ、でもさ、ここは、明治になった後、いや、戦後でも神隠しが発生したらしいんだ。」
「まじっすか?」
「ああ、明治の頃、日本人は迷信にとらわれすぎている、
 って考えていた若い帝大の教授が、迷信であることを証明する。
 として、ここで、それを実行して、で、神隠しにあったんだと。」
「へえ?で、神隠し、って事は、当然そのまま行方不明なんですよね?」
「ああ、でな、その後、この辺の人達はそれを恐れて、この山に近づかなくなったんだ。
 でも戦後になって、その記憶が薄れたのと、戦後の雰囲気っていうのかな?
 30年ごろ、東京の大学院生達がここにきて、神隠し事件を調べようとしてさ、
 やはり行方不明になったんだ。」
「でも、戦後じゃ、警察とか動きますよね。いや、明治でも動いと思いますけど。」と私
「ああ、警察、消防団とか総動員で山狩りをしたんだけど、
 結局何の手がかりもなかったんだって。まあ、戦後になったとはいえ、田舎だから、
 年寄りとかはまだまだ迷信深くて、最初は山に入りたがらなかったって話だけど。」
「へえ、新聞に載ったんですかね?」
「地元の新聞には載ったらしい。」
「何かの事件に巻き込まれたんですかね?」
「まあ、そんな所かもしれないが、
 地元の年寄りたちは、やっぱり神隠しの伝承は本当だった。
 物見遊山気分だから、神隠しにあったんだ。って噂し合ったんだ。」
「なんか横溝正史の小説か、浅見光彦みたいですね。」
「神隠し伝説殺人事件とか」軽く笑う4人。

436: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 00:42:16.39 ID:w9wb6nmw0
「そういえば、俺の田舎でも・・・」Bが話を引き継いで、地元の怪談を話し始めました。
Bが話を終えた後、Aが、自分が高校時代に聞いた学校の怪談を始めました。
こうなると私も話さないわけにはいきません。私も中学の頃聞いた怪談話を話します。
で、私が話し終わると、促されたわけでもないのに、再びBが怪談を始めました。
まあ、眠気覚ましには話をするのが一番と言われているし、危険な夜間のドライブ、
みんなで、こうやって話し(しかも怪談)ていれば、眠気も飛ぶかもしれない。
私もそう思い、Bの後、再び怪談を始めたAの話が終わった後、怪談を始めました。
B→A→私、の順番で、話を続けます。
途中で先輩も話に巻き込もうとしましたが、運転に集中したい。
また、怪談聞いていれば眠くならないから、聞き手に回っています。
結局、私、A、Bで会談を続けることになりました。

どのぐらい時間がったったのかは、時計を見ていなかったので覚えていませんが、
途中で少々妙なことに気が付きました。
もう10回以上私は怪談をしているのです。
B→A→私。
という順番は堅持されていたので、皆で30以上の怪談を話していることになります。
一つの話に3分としても90分はかかっている計算になります。
もう高速に乗っていてもいい筈ですが、まだ山道から出た気配すらありません。
『こういう状況だから、時間が長く感じるのかな?』
疑問に思ってもいましたが、同時にそうとも考えました。
「おい、○○、お前の番だぞ。」
「ああ、じゃあ・・・・」
Aに促され、再び私も怪談を始めます。
で、頭に沸いた疑問もそこで打ち切りになり、再び怪談話の輪に戻ります。

437: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 00:43:09.06 ID:w9wb6nmw0
「・・・・・・という話だ。」
Aが、何度目になるかは分からない怪談を終えます。
『次は俺の番か』どの話をしようか考え始めた時、ふと、先ほどの疑問が頭をよぎります。
あの後、10回、いや20回は、怪談を話しています。
合わせれば30回以上は怪談をしていたような気がします。
いや、実際はそんなにしていないかもしれませんが
かなりの回数の怪談を話したのは事実です。
時間で言えば、1時間、いや、2時間はとっくに経過していていいはずです。
なのに未だに山道から出ていないのです。
『道に迷ったのかな?』そうも思いましたが、それにしても時間がかかりすぎです。
ここが何処かはわかりません
(カーナビもない時代(一応あるにはあったが、
学生の車に搭載できるような代物ではなかった))
周りは真っ暗。いや、真っ暗すぎます。まさに墨を流したような暗闇です。
 一気に不安が広がります。

「今のAの話で99話目だ。」
「え?」今まで黙っていた先輩が突然口を開いたので、驚いて聞き返す私。
「だから、今のAの話で、怪談99話目だったんだよ。」
「へえ、そんなに話したんですか俺ら。」気軽に受けるB
「案外怪談知っているもんなんですね。」
Aも普通に受け答えしている中、私だけが、混乱し始めていました。
99話、一話3分程として、300分近い時間、つまり5時間は経過しているはずです。
出発したとき1時なのですから、今の時間は、6時近く。もう、夜が明けていいはずです。
いや、それほどの時間がたっていなかったとしても、
高速のインターにはとっくに着いているはずです。
なのに相変わらず山道らしいところ、というか、何処かすらわからない、
真っ暗闇の中を車は走り続けているのです。
恐怖の感覚が私を襲いました。

「百物語って知っているか?」
恐怖にパニック寸前の私をしり目に先輩は話を続けています。
「ああ、ろうそく百本立てて、一話ごとにろうそく消していくって奴でしたよね。」とB
「俺たちそれできましたね。ま、車内で100本蝋燭立てられないけど。」とA
「ああ、で、100本目が消えると、妖怪、幽霊が現れる。」と先輩
「俺たちも蝋燭消していたら、現れますかね?」とB

438: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 00:44:41.25 ID:w9wb6nmw0
『ちょっとまって、ちょっとまって、ちょっとまって』先輩の話に、
平然と相手をしているA、Bに対して、すでにパニックになりかかっている私。
叫びだしたかったが、恐怖のためか、緊張のためか、声が出ません。
「ああ、出るかもな。でもさ、実は百物語っていうのは、
最初は、真っ暗な中、屋外で、怪談百話を話すものだったんだ。」
「へえ、初めて知った。」とB
「ああ、この辺りでは、少なくともそうだったらしい。で、100話を話し終わると、
妖怪が出るんじゃなくて、そういう物がいる異界への扉が開いてそこに引き込まれる。
ってものだったんだ。」先輩が妙に抑揚の、いや、感情のない声で話します。
「へえ、異界への扉って、漫画みたいですね。」とB
「ああ、で、明治の帝大教授や、昭和の院生も、この地に伝わるその伝説を聞いて・・・」
「ちょっと待ってよみんな!!」
やっと声を放つ私。

439: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 00:47:00.53 ID:w9wb6nmw0
「なんだよ、○○ビビったのか?」とA
「そうじゃないよ、先輩、ここどこですか?
周り真っ暗、街頭ひとつない、何時になったら高速に出るんですか?」
恐怖でほとんど涙声になっていました。
叫んでいるうちに気が付きましたが、この車、一度も止まっていません。
いや、よくよく考えてみると曲がった気配すらないのです。
周りは真っ暗、いや、ヘッドライトすらついて居なのです。前方も真っ暗な闇です。
『なぜ今頃気が付いているんだ!!』
自分に毒づきましたが、このまま先輩の話し続けさせたら、危ない、
いや、そんな生易しいものですらなくなる。
なんと言うのか、そんな言いようのない、本能的な恐怖に駆られ、
私は、パニックと恐怖で、涙声になりながらもつづけました。
「よく考えろよ。なんでこんな周り真っ暗なんだよ!!
 99話怪談話したんろ?いったい何時間たっているんだよ?
 なのに、なぜ、何処にもつかないんだよ!!」

「もうすぐ着く。いいから黙ってろ。」
抑揚と感情のない、なんというのか、先輩の声ですが、
先輩でない誰かが話している、そんな感じの声でした。
「その前に車止めてください!!とにかく!!」
ここで黙ったらおしまいだ。とにかく先輩にこれ以上話をさせてはいけない。
そんな感じで、絶叫に近い声で、先輩に言いました。
「せ、先輩、とにかく車止めましょうよ。」とB
やっと現状に気が付いたのか、Bも少々あわてた声で先輩に言います。
「話しが終わったら着くから黙って聞けって。」相変わらず抑揚のない声で話す先輩。

440: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 00:48:15.67 ID:w9wb6nmw0
「B、ブレーキ踏め、ブレーキ」完全にパニック状態の私。
「先輩、話の前に止めて、ドア開けてください。
 そうしたら、聞いてもいいですから、先輩の話」
Aもすでにパニック状態なのか、大声で叫んでいます。
「この山で、100物語を・・・・」完全にパニック状態の我々三人をしり目に、
先輩が、抑揚と感情のない声で続けます。
「先輩、すみません!!」
そういって、Bが先輩の横っ面を殴りました。

キキキー
急ブレーキの甲高い悲鳴とともに車が止まりました。
シートベルトは着けていましたが、前席に頭をぶつけました。
「ああ、すまんみんな、大丈夫か?」と、先輩
周りを見ると、遠くですが、民家の明かりが見え、道の先にある街頭も見えます。
何よりも、ヘッドライトの明かりが見えます。
『も、戻れた』なぜそう思ったかは知りませんが、安堵感と、恐怖から解放された感覚で、
全身の力が抜けていくのを感じました。
先輩は、車から降りて、車の前の方を確認していました。
「すまん、目の前を横切った、白い影が見えたもんで。って、どうしたんだ、お前ら?」
車内3人の尋常ならざる雰囲気に、先輩が、質問します。
少なくとも、先ほどの先輩ではなく、何時もの先輩であることに間違えはないようです。
我々3人も外の空気を吸うため車外に出て、落ち着いた後、
今までの経緯を先輩に話します。

441: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 00:49:34.65 ID:w9wb6nmw0
「お前ら、俺担いでいるのか?」
先輩の話だと、山道に入って、「この辺りに神隠しの伝説がある」って話した時、
黒い靄のようなものがかかった感覚があったので、
『眠気に襲われたか?』と思ったら、
なんか、白い影が見えたので、急ブレーキを踏んだとのこと。
そう、その後の話は、先輩の記憶にはないのです。
先輩のはなしだと、
確かに、この辺で、明治時代、昭和30年代に、神隠し事件があったこと。
この辺りの伝承だと、
夜中に、屋外で、夜が更けてから、夜明けまでの間、百話怪談をすると、異界に行ける。
という伝承があること。
地元の郷土史研究家とかは、戦国や、江戸時代、
まだまだ過酷で、飢饉とかに結構頻繁に見舞われていた時代。
(しかも、この辺りは、土地が痩せていて、貧しい地域だったのだとか)
そういう『苦しい浮世を捨て、別世界に行きたい』的な信仰があったから、
そんな伝承が生まれたのではないか?と、言っているのだとか。
で、明治時代の教授(と、その助手たちもいたのだとか)、
30年代の大学院生は、それを実行したといわれているのだとか。

「確かに俺も、その話聞いたときは、やってみたいな、って思った事はあったけど・・・」
先輩もさすがに青い顔をしていました。
時間を見ると、1時30分過ぎ、山道の入り口は、すぐではありませんが、下に見えました。
そして、車の横には、小さな、石造りの祠が見えました。
皆黙って、その祠にお祈りをした後車に乗りました。
不可思議な体験の後でしたが、なんと言うのか、もう大丈夫という、
妙な安堵感があり、恐怖はあまり感じませんでした。
「わり、左の頬が少し痛むんで高速の入り口で運転変わってくれ。」
「あ、ああ、いいですよ、俺が運転しますんで」とB
その後は何事もなく無事東京につきました。

442: 本当にあった怖い名無し:2012/04/22(日) 00:51:08.50 ID:w9wb6nmw0
長文申し訳ありませんでした。これで最後です。
が、その後、いくら思い出そうとしても、30話近い怪談話は思い出せません。
最初に話した数話は確かに覚えているのですが、
その後、どんな話をしたのかが、まったく思い出せないのです。
が、その不可思議な体験、何よりも、あの真っ暗な光景は、今でもありありと覚えています。
最近部のOB会で久しぶりに、先輩、A、Bと会いました。
話題になったのは、やはりあの時の不可思議な経験です。
「まあ、ハイウェイヒュプノシスとか、集団催眠みたいな状態だったのかも?」
不可思議な体験を、無理やり説明づけようとするわれわれ。

そんな私たち三人に対し、少々ためらったってから、先輩が
「実はな、あの道で、最近、失踪事件が起こったんだ。」
何でも、地元の若者たちの乗った車があの道に入ったのを目撃されたのを最後に、
その後行方不明になっている人たちがいるのだとか。




【第七の怪「御愛想」】
75 名前:2/2 投稿日:03/11/23 20:36
ある青年が、K県に行った時のこと。
空腹になったので、一軒のトンカツ屋に入った。
夫婦者でやっているらしい、小さく古びた店だった。
奥の座敷は住まいになっているようで、
子供がテレビを見ている姿がチラリと見える。
夫も妻も、無愛想で心持顔色が悪い。他に客はいなかった。
しかしここのトンカツ、食ってみるとものすごく旨い。
あっという間平らげ、青年は満足した。
会計を済ませ、帰り際。
店主が『来年も、またどうぞ』と。
変わった挨拶もあるものだ、と青年は思ったが、
トンカツは本当に旨かったので、
また機会があったら是非立ち寄ろう、と思い、店を後にした。
それから一年…

76 名前:1/2 投稿日:03/11/23 20:37
再びK県に赴いた青年は、あのトンカツ屋に行ってみることにした。
しかし、探せども探せども店は見つからない。
おかしい…住所は合ってるし、近隣の風景はそのままだし。
まさかこの一年で潰れた…とか?いやあんなに旨い店なのに。
仕方がないので、住民に聞くことにした。
するとあの老人が、
「ああ、あの店ね。あそこは11年前に火事で全焼してね。
 家族3人だったけど、皆焼け死んでしまって…」
そんな…青年があの店に入ったのは去年のことだ。
戸惑う青年をよそに、老人は続けた。
「毎年、火事で店が全焼した日、
 つまり家族の命日にだけ、その店が開店する…って話がある。
 入った客も何人かいるようだが…。あんた、去年入ったの?」

『来年も、またどうぞ』
帰り際の店主のあの変わった挨拶。
あれはつまり、来年の命日にもまた店に来いと、そういうことだったのだろうか…。
恐慌をきたしながらも青年は、家族の命日だけは確認した。
案の定、去年青年が店に入った、その日だった…。

……その話を青年から聞いた友人は、
「そんなバカなことあるかよ。お前ホントにトンカツ食ったの?」と。
青年は答えた。
「本当に食った!あんな旨いトンカツ初めてだったし、
それに子供が奥の部屋で見てたテレビ番組、ルパン三世の曲だってことも憶えてる」
しかし青年は、しばらく考え込んでから呟いた。

「そう言えば、子供の首が無かった気がする…」




【第八の怪「視線」】
34: カンパニュラ・アーチェリー(東京都):2009/07/18(土) 23:57:00.80 ID:kgGJgzAj
外国のお話。
ある男が2人、車で海岸沿いの道を走っていた。
初夏の肌寒い日だったので海に入っている人こそ少なかったものの、
それでも家族連れやアベックなど老若男女で浜辺はそれなりの賑わいを見せていた。
どうといったことのない平凡な風景。
しかし運転席の男はその光景にかすかな違和感を覚えてもいた。
やがて海岸が見えなくなった頃、助手席の男が口を開いた。
「気付いたか?」
先ほどまでの陽気な口調とは異なり、その面もちはいくぶんこわばっている。

「海岸にいた連中、みんな海の方を見ていなかった。
 立っている者も座っている者も、全員海に背を向けていたんだ」




【第九の怪「別荘」】
579 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 18:05:35.95 ID:yH5id7QC0 [1/8]
危機一髪だった話
大学の時、夏休みの前にゼミのメンバーがリゾートバイトを見付けてきた
リゾートバイトといっても今は寂れてしまった避暑地で、
そこにある別荘の掃除をしてくれというもの。
二泊三日でアゴ・マクラ付き、俺らはゼミの5人(男3人、女2人)で行くことにした
駅に着いたら別荘の管理人のおっさんが来て、バンで別荘地に連れてってくれた
別荘は古いものの結構でかい洋館で、庭にプールもある立派な別荘だった
しかし、すげーすげーと騒ぐ俺らをよそに、ただ一人、メンバーのAさんだけが黙っている
普段からおとなしいタイプではあったけど、
来る途中は皆と同じように楽しそうにはしゃいでいたのでどうしたんだろうと思ってたら、
いきなりAさんのケータイが鳴った
電話に出るAさん。
通話が終わった後、いきなり俺らと管理人のオッサンに向かって言った

580 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 18:07:29.85 ID:yH5id7QC0 [2/8]
「すいません。今ゼミの先生から電話があって、
 全員戻って来いって言われてしまいました。
 もうじき学会があって、ちょっと都合が悪くなってしまって……。
 ここまできてすいません、バイトをキャンセルさせて下さい」

いきなりそんなこと言われても、と渋るオッサン
「今日中に作業しなきゃいけないんだよ、
 誰か君たちの代理で来てもらえる友達はいないの?」

「すいません、それも難しいと思います」きっぱりと言い切るAさん
どういうことなんだ、と俺が訊こうとすると俺の横にいたBがいきなり、
「あーそうだ!俺ら、先生に作業頼まれてたんだった!締切明日だから帰らなきゃ!」
「すいません、本当にすみません。私たち、これで帰ります。
駅までは歩いて帰るので、送っていただかなくても構いませんので」

Aさんはもう一人の女の子の手をぐいぐいひっぱって歩き始めた
Bも「んじゃ、すいません。俺らも帰ろうぜ」とうながすので、俺らもお辞儀して帰った
ちらっと振り向くと、おっさんは別荘の方を見たまま突っ立ってた

581 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 18:09:00.49 ID:yH5id7QC0 [3/8]
駅まで歩きながら「ねえ、先生なんて言ってきたの?」とAさんに聞くと
「電車乗ってから話す」と教えてくれない。Bも黙ってうなずいてた。
電車に乗り、駅を二つほど過ぎたころ、やっとAさんが教えてくれた
「ごめんね、先生からの電話なんてホントは嘘なんだ。
ただ、あの別荘怖かったから、絶対長居しない方が良いと思って……」

なんだそりゃ、と俺らが言うと、Bがボソッと言った
「お前ら、見なかったのかよ。ほら、プールの水の下にあっただろ?
底に壺とかマネキンの手足が重しつけてバラバラに転がってたの」
「えっ?」 怪訝な声を出すAさん
「あれ?Aさん、それで断ったんじゃないの?」
「違うよ。私が断ったのは、窓際のところに草刈鎌持った女の人がいたからだよ」
Aさんによると、窓にはしめ縄みたいなものが何重にも張ってあって、
中にいた女は白目向いたまま、そのしめ縄を一心不乱に鎌で切ろうとしていたらしい。
別荘に入らなくて良かったと心底思った




【第十の怪「宴会」】
589 :1/4 :2010/02/20(土) 20:03:26 ID:iWP/zkxp0
先日、とあるこじんまりとした旅館に泊まった。
少し不便なところにあるので訪れる人も少なく、静かなのが気に入った。
スタッフは気が利くし、庭も綺麗、部屋も清潔。文句なしの優良旅館だ。
山の中にあるため夜遊びする場所もなく、
日付が変わるころには旅館の中は静まり返っていた。

早めに床に就いた俺は、夜中の2時過ぎ頃かな、なぜか目が覚めてしまったんだ。
その後寝付けないので、静まり返った館内を探検してみようか、なんて思いついた。
部屋のドアを開けると、廊下は電気が消えていて真っ暗。
非常口を示す緑の明かりだけが、寒々しく廊下を照らしている。
旅館にしては不自然だが、「省エネかな?大変だな」などと馬鹿なことを考えながら、
俺は肝試し気分で探検をしていた。
突然目の前で人が動いた気がして、俺は目を凝らした。
窓から入ってくる月明かりの中、
客室のドアの前で何かをしている旅館スタッフのおっさんがぼんやりと見えた。
カチャカチャという小さな金属音が聞こえたので、まさか盗みに入るつもりかと思い、
俺は隠れて様子をうかがっていた。
だが彼は、ドアを開けようとしていたのではなかった。ドアに南京錠をかけていたのだ。
俺はまずいものを見た気がして、物陰に身を潜めてじっとしていた。
鍵をかけ終わったのか、おっさんがこちらに歩いてくる。
この先にあるのは俺の部屋だ。彼は俺を閉じ込めるつもりなんだ。体が強張った。
何かわからんが危険だ、絶対に見つかってはいけない、
そう思って必死で息を殺していたが、
俺の横を通り過ぎた時、おっさんはあっさり俺を見つけてしまった。

590 :2/4 :2010/02/20(土) 20:04:07 ID:iWP/zkxp0
おっさんはひどく狼狽しながら腕時計を見て、
「仕方ないな、一緒に来てください!!」と言って俺を無理やり立たせて、
どこかに引っ張っていこうとした。
逃げようにも、すぐに何人ものスタッフが来て俺を取り囲み、
その中の一人が持っていたバカでかい着火マンみたいのを向けながら、
「無事で居たければ、絶対に声を上げないでください!」と言うので、
俺はおとなしく彼らについて行くしかなかった。

連行されたのは宴会場だった。
電気の消えた暗い旅館の中で、そこだけは電気が全部付いていて明るかった。
旅館の人や地元住民っぽい大人がたくさんいて、
さらにテーブルの上には郷土料理みたいのがたくさん並んでいて、
いつでも宴会が始められるようにスタンバイしてあった。
適当な席に座らされると、40代くらいのおばさんが俺の前に来て、
「運が悪かったねえ、心落ち着けてれば大丈夫だから、頑張ろうねえ」などと、
しきりに俺を元気づけて(?)くれた。
やがて強面のおじさんが俺の横に座り、強い口調で言った。
「宴会始まったらな、楽しく飲み食いするんだぞ。そりゃあもう楽しげにな。
 そのうち新しい客が来るけど、その人のことは気にするな。
 気にしてしまいそうなら、その人のことは見るんじゃない。
 ただし、目をそらすなら、不自然にならないようにな。決して楽しそうな雰囲気を壊すな。
 年に一度必ずお迎えしなくちゃいけない相手だからな、絶対に無礼を働くな」

591 :3/4 :2010/02/20(土) 20:05:25 ID:iWP/zkxp0
やがて宴会が始まった。
おばちゃんたちが気を遣って料理よそってくれたり、ビール注いでくれたりしたが、
俺は料理を箸でつつくのが精いっぱいだった。
みんな表面上は楽しそうにしているが、何かに脅えているのは明らかだった。

目なんか覚まさなければ、と自分を責めているうちに、
突然部屋の温度が下がったように感じた。
暗い廊下の向こうから、ぴた、ぴたっという足音が、ゆっくりと近づいてくる。
旅館の人たちは気付かないふりでもしているのか、
それまで以上に楽しそうに騒いだり、料理を食べたりしている。
下手に喋ると藪蛇な気がして、俺はおいしい料理に熱中してるふりをした。

やがて足音が変わった。
木の廊下から、畳張りの宴会場に上がってきたのだ。
料理ばかり見つめている俺の視界の隅を、2本の脚が通り過ぎた気がした。
黒い…というよりも、『暗い』という表現が合う、おかしな存在感の脚。
子供か女の脚のように細いが、ひどく重さを感じる脚。
それは横長なテーブルをぐるりと迂回し、
俺の斜め向かいにやってきて、座布団に腰を下ろした。

皿の上の料理をつつきながら、悲鳴をあげそうになるのを一生懸命こらえてるうち、
ふいに重苦しい冷たい空気が消えたので、俺は思わず顔を上げた。
周りには先ほどまでの作り笑顔をやめて、ほっとした表情の皆の顔。
「終わったよ」と隣の席にいたおばさんに言われ、俺の体から一気に力が抜けて行った。
その後、恐ろしい体験を共有した者同士の、本当の宴会が始まった。
さっきまで味が全然わからなかった料理をおいしく頂いて、酒を飲みかわして、
その場にいた全ての人と妙な連帯感を共有した。
部屋にかけてた南京錠もすべて回収したようで、
おそらく宿泊客の中に、閉じ込められていたことに気付いた人はいないだろう。

592 :4/4 :2010/02/20(土) 20:07:33 ID:iWP/zkxp0
気がつくと夜も明けかかっていて、俺は部屋に戻って寝なおした。
目が覚めた時にはもう日は高く昇っていて、
部屋の外はなんてことない普通の旅館に戻ってた。
予定時間よりも少し遅れてチェックアウトのしたが、
「あんたはもう仲間だよ、またいつでも来てね」と、旅館の人が総出で見送ってくれた。
みんな名残惜しそうにしてくれたし、俺もこの人たちと離れるのは悲しかった。
もう彼らは俺の友人になっていた。
あの出来事のせいで、すごく強い絆が生まれたのが分かるんだ。
ただ、そうであっても、俺があの旅館に行くことはもう二度とないだろう。




【第十一の怪「徘徊」】 
810 :顔 ◆3EgJTOI8PA :2011/05/22(日) 13:15:30.77 ID:L8AQcccA0
ある山であった怖い話。
俺の友人が数人で山にキャンプに行ったときだったらしい。
夜にみんなと騒いでいたら 懐中電灯の電池が切れたらしい。
発電機式懐中電灯を使って怖い話をしたらしい。

どっからか、パチパチと火花の散る音が聞こえてくると何人かが言うので
そっちの方に少し近寄ってみたら、火がたいてあった。
誰もいなかったので 火をたいた人物をまって火の周りで
誰か居ませんか?とか言ってたときだった。
火で焼かれてる中に何か丸っこい物があった。
棒を使って取り出すと、白い丸い堅い物が炭の中から出てきた
他によく見ると二つ穴が開いている。
懐中電灯で照らしてみると焼けていてよくわからなくなっているが、
どう見ても猿か何かの生首を焼いた物だった。
しばらく唖然としてから一目散に逃げた。

テントの中で震えながら「今の何なんだよ?」「わかんねぇ」
「明らかに猿とか、とにかく霊長類の首だったよな・・・」「もう帰ろうぜ・・・」
「夜に出歩く方が危険じゃねぇか?」と言い合いをしていたとき

812 :顔 ◆3EgJTOI8PA :2011/05/22(日) 13:26:01.84 ID:L8AQcccA0
発電機式懐中電灯のラジオからいきなり、

ど〜こ〜か〜な〜、足跡たどって百歩かな?
左かな、右かな、男かな、女かな、

と普通は聞こえるはずのない不気味な歌が低い声の歌が流れている。
ざっざっざっざっじゃっりじゃりざっ 
歩く音が徐々に近づいてきた。タチタチと何かを叩く音が聞こえる。
恐る恐る懐中電灯を照らすとテントのビニール越しに
拍手をしながら近づいているのがわかった。
しかし、普通の拍手とは違う音がしている
もう一度見ると逆手拍手で近づいてきている。しかも二度照らしてせいでばれたようだ

みーーーっけーーたっ

そういって近づいてきた。
みんな震えていたが、テントの開け方がわからないようだった。
チャック式だったのでわからなかったようだ。

ちぇーーーなーんかめんどうになっちまったなぁーー

次の日の朝、急いで帰ったが、テントの周りの足跡は鳥のような足跡だったという。




【第十二の怪「仕舞い湯」】
108: 本当にあった怖い名無し:2011/08/02(火) 08:49:46.14 ID:CRZD2TnL0
俺が小学生の頃、近所に百年近く続く小さな銭湯があった。
まあ老舗とはいえ時代の流れか、客入りはそれほど良くなかった。
俺の爺さんはたいそうお気に入りで、その銭湯に通うのが楽しみの一つだった。
何の前触れもなくポックリと死んだが、その前日も通っていたくらいだ。

ある週末の夜、親父に銭湯に連れて行ってもらった。
服を脱いで勢いよく浴室の扉を引くと、驚いた。
いつもは閑古鳥が鳴いているこの銭湯が、どういうわけか満員だった。
浴槽は芋洗いだし、洗い場も一つも席が空いていない。
後からきた親父も驚いていた。
「これじゃあ入れないなあ、ちょっと待つか」といい、
親父は自分にはビール、俺にはアイスを買ってくれて、脱衣室で待つことにした。
風呂前にアイスを買ってくれるなんて、
いつもとは順番が逆で、俺はなんだかおもしろかった。
しばらく待ったが、出てくる客は誰もいなかった。

親父に様子を見てくるよう言われ、再度扉を開けると、また驚いた。
さっきまであれだけ混雑していた風呂場だったのに、客は2~3人しかいなかった。
さっきは確かにぎゅうぎゅうだった、それに出てきた客はいなかったぞ?
親父も驚いていたが、あまり細かいことを気にしない人で、
何事もなかったかのように、ひとしきり風呂を楽しんだ。
銭湯から変えるとき、番台のそばの貼り紙に気がついた。
なんと今月で店を閉めるという内容だった。
しかも今月というとあと1週間しかないではないか。

はたと気がついた。
子供ながらにも、先ほどの不可解な混雑の理由がわかった気がした。
閉店を惜しんだ遠い昔からの「常連」が、大挙して押し寄せてきたのではないか。
親父も同じことを考えていたようで、
「爺さんもきっと来ていたんだろうなあ、
 ○○(俺の名前)も一緒なんだし、挨拶くらいしてくれても良かったよな」 とつぶやき、
それ以後は黙ったままで俺と手をつないで帰路へついた。

銭湯には閉店の日も親父と行ったが、その日も相変わらず空いていた。
銭湯が混んでいるのを見たのはあれが最初で最後のことだった。




【最終怪「井戸」】
902 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:52:13 ID:wohjQNUp0
これを書いたら、昔の仲間なら俺が誰だか分かると思う。
ばれたら相当やばい。まだ生きてるって知られたら、また探しにかかるだろう。
でも俺が書かなきゃ、あの井戸の存在は闇に葬られたままだ。
だから書こうと 思う。
文章作るの下手だし、かなり長くなった。
しかも怪談じゃないから、興味の湧いた人だけ読んで欲しい。

今から数年前の話。
俺は東京にある、某組織の若手幹部に使われてた。Nさんっ て人。
今やそういう組織も、日々の微妙にヤバい仕事は、アウトソーシングですよ。
それも組織じゃなく、個人が雇うの。警察が介入してきたら、トカゲの尻尾切りってやつね。
その代わり金まわりは、かなり良かったよ。
俺は都内の、比較的金持ちの日本人、外国人が遊ぶ街で働いてた。
日々のヤバい仕事っていうと、すごそうだけど、
実際に俺がやってたのは、ワンボックスで花屋に花取りに行って、代金を払う。
その花を俺がキャバクラから、高級クラブまで配達する。
キャバクラ行くと、必ず花置いてあんだろ?あれだよ。で、花配りながら、集金して回る。
もちろん花屋に渡した代金の、3〜5倍はもらうんだけどね。
3万が10万、5万が25万になったりするわけよ。月に3千万くらいにはなったね。
俺がやるヤバい仕事ってのは、最初はその程度だった。
それでも結構真面目にやってた。相手も海千山千のが多いからさ。
相手が若僧だと思うと、なめてかかって、値切ろうとするバカもいるんだよね。
その度に暴力沙汰起こしてたんじゃ、仕事になんないわけだ。起こす奴もいるけど。
でも警察呼ばれたら負けだからね。
次から金取れなくなるから、組から睨まれる。タダじゃすまんよ。
そういう時、俺は粘り強く話す。話すけど、肝心なトコは絶対譲らない。
一円も値切らせないし、ひとつの条件もつけさせない。

903 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:54:00 ID:wohjQNUp0
前置き長くなったけど、まあうまくやってるってんで、
Nさんの舎弟のSさん、Kさんなんかに、結構信頼されるようになった。 
それで時々花の配達に使ってるワンボックスで、夜中に呼び出されるようになった。
積んでるのは、多分ドラム缶とか段ボール。
荷物積む時は、俺は運転席から出ない事になってたし、
後ろは目張りされてて、見えないから。
それでベンツの後ろついてくだけ。荷物を下ろしたら、
少し離れたところで待たされて、またベンツについて帰って、金もらって終了。
何を運んでたなんて知らない。
その代わり、1回の仕事で、花の配達の1ヶ月分のバイト代をもらえた。

ある夜、また呼び出された。行ってみると、いつもとメンツが違う。
いつもはSさんかKさんと、部下の若い人だった。
ところがその日は、幹部のNさんがいて、他にはSさん、Kさんの3人だけ。
3人とも異様に緊張してイラついてて、明らかに普通じゃない雰囲気。
俺が着いても、エンジン切って待ってろって言ったまま、ボソボソ何か話してた。
「・・・はこのまま帰せ」
「あいつは大丈夫ですよ。それより・・・」
途切れ途切れに会話が聞こえてたけど、結局俺は運転していく事になった。
何だか 嫌な予感がしたけどね。
後ろのハッチが開いて、何か積んでるのが分かった。
でも今回はドラム缶とか、段ボールじゃなかった。
置いた時の音がね、いつもと違ってた。重そうなもんではあった けど。
更に変だったのが、SさんとKさんが同乗した事。
いつもは俺一人で、ベンツについてくだけなのに。しかもいきなり首都高に入った。
あそこはカメラもあるし、出入口にはNシステムもあるから。
こういう仕事の時は、一般道でもNシステムは回避して走るのに。

904 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:54:47 ID:wohjQNUp0
首都高の環状線はさ、皇居を見下ろしちゃいけないとかでさ、何ヵ所か地下に入るよね。
恥ずかしながら、俺は運転には自信あるけど、
道覚えるのは、苦手なんだよね。方向音痴だし。
多分環状線を、2周くらいしたと思う。
車が途切れたところで、突然Nさんが乗るベンツ が、トンネルの中で、ハザード出した。
それまでSさんもKさんも、ひと言もしゃべらなかったけど、
Sさんが、右の車線に入って止めろって。言われるままに止めたよ。
そこって合流地点だった。で、中洲みたいになってるとこに、バックで車入れろって言うから、
その通りにして、ライト消した。
両側柱になってて、普通に走ってる車からは、
振り返って見たとしても、なかなか見つけ られないと思う。
まあ見つけたとしても、かかわり合いにならない方が良いけどね。
Nさんが乗ったベンツは、そのまま走り去った。
SさんとKさんは、二人で荷物を下ろしてたけど、俺にも下りて来いって。
俺はこの時も、嫌な予感がした。今まで呼ばれた事なんて無かったし。
SさんとKさんが、二人で担ぎ上げてるビニールの袋。
映画とかでよく見る、死体袋とかいう黒いやつ。もう中身は、絶対に人間としか思えない。

905 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:55:26 ID:wohjQNUp0
とんでもない事に巻き込まれたって思って、腰が痛くなった。
多分腰抜ける寸前だったんだろう。
何で組の人じゃなくて、俺なの?ってその時は思ったけど、
その理由も後になれば分かったんだけど。
で、Sさんがポケットに鍵があるから、
それ使って、金網の扉の鍵開けろって言うから、言う通りにした。
金網開けて、5〜6メートルで、また扉にぶつかる。
扉というより、鉄柵って感じかな。
だって開ける為の把手とか無いし、第一鍵穴すら見当たらない。
どうすんだろうな〜と思ったら、またSさんが別のポケットを指定。
今度は大小ひとつずつの鍵。
コンクリの壁にステンレスの小さい蓋が付いてて、それを小さい方の鍵で開ける。
中に円筒形の鍵穴があって、それは大きい方の鍵。
それを回すと、ガチャって音がして、柵が少し動いた。右から左に柵が開いた。
壁の中まで柵が食い込んでて、その中でロックされてる。
鍵を壊 して侵入は、出来ない構造らしい。
更に先はもう真っ暗。
マグライトをつけて先に進んだけど、すぐに鉄扉に当たった。
『無断立入厳禁 防衛施設庁』って書いてあった。これは不思議だった。
だってここ道路公団の施設だよね?ていうか、こんなとこ入って、平気なのかなって思った。
まあこの人たちのやる事だから、抜かりは無いとは思うんだけど、
監視カメラとかあるんじゃないのって、不安になった。
まあ 中に進んだら、もっと不思議なもんが、待ってたんだけどね。
鉄の扉も、さっきの鉄柵と同じ要領で開いて、俺たちは中に入った。

906 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:56:30 ID:wohjQNUp0
SさんもKさんも、うっすら汗かき始めてて、随分重そうだったけど、
運ぶの手伝えとは言わなかった。中に入るとすぐ階段で、ひたすら下に下りて行った。
結構下りた。時々二人が止まって、肩に担ぎ上げた「荷物」を担ぎ直してた。
階段を下りると、ものすごく広い通路が、左右に伸びてた。多分幅10mくらいあったと思う。
下りたところで、ひと休みした。通路はところどころ電灯がついてて、
すごく薄暗いけど、一応ライトは無しで歩けた。
俺たちは反対側に渡って(って言いたくなるくらい広い)、左手に向かって進んだ。
時々休みながら、どれくらい進んだかな。
通路自体は分岐はしてない。ひたすら真っ直ぐで、左右の壁に時々鉄の扉がついてる。
ある扉の前でSさんが止まって言った。
「これじゃねえか。これだろ」
そこには『帝国陸軍第十三号坑道』そう書いてあった。
字体は古かったけど。信じられる?
今の日本にあるのは、陸上自衛隊でしょ。何十年も前のトンネルなのか、これは?
SさんもKさんも、汗だくで息も荒くなってたから、
扉を入ったところで、また「荷物」を下ろして、休憩する事にした。
二人とも無言だったから、俺も黙ってた。
しばらくして、Sさんがそろそろ行こうって言って、袋の片側、多分『足』がある側を持った。
そ したら・・・ 『袋』が突然暴れた。
Sさんは不意を突かれて、手を放してしまい、弾みで反対側の袋の口から、顔が出てきた。
猿ぐつわを噛まされた、ちょっと小太りの男。

907 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:57:16 ID:wohjQNUp0
どっかで見たことある・・・それもあるけど、分かっていながらも、
袋からリアルに人が、しかも生きた人が出てきた事にビビッて、俺は固まってた。
SさんがKさんに「おい何で目を覚ました!」「クスリ打てクスリ!」「袋に戻せ!」
とか言ってるのが聞こえた。
Kさんはクスリは持って無いとか、何とか答えてた。
その間も『袋』は暴れてた。暴れてたというか、体を縛られてるらしく、
激しく身をよじって、袋から出ようとしていた。
するとSさんが、袋の上から腹のあたりを、踏んづけるように蹴った。
一瞬『袋』の動きが止まったけど
「ウ〜!」と、すごい唸り声を上げながら、また暴れ出した。
Sさんは腹のあたりを、構わず蹴り続けた。それでも『袋』は、暴れ続けた。
やがてKさんも加わって、二人で滅茶苦茶に蹴り始めた。
パキって音が、2、3回立て続けにした。多分肋骨が折れたんだと思う。
 『袋』の動きが止まった。その時なぜか、男は頭を振って、俺に気が付いた。
それまですごい形相で、暴れていた男が、急に泣きそうな顔で、俺を見つめた。
Sさんが「袋に戻せ」と言うと、Kさんが男の肩のあたりを、足で抑えながら、
袋を引っ張って、男を 中に戻した。
今でもその光景は、スローモーションの映像のまま、俺の記憶に残ってる。
男は袋に戻されるまで、ずっと俺を見てた。
一生忘れられない。

908 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:57:44 ID:wohjQNUp0
Kさんが、袋の口をきつく縛るのを確認すると、Sさんは更に数回、袋を蹴った。
「これくらいかな。殺しちゃまずいからな」
Sさんはそう言って、俺を見た。
「お前、こいつの顔を見たか」
「いえ・・・突然だったんで、何が何だか」
そう答えるのが、精一杯だった。
その時は本当に、どこかで見たような気がしたけど、思い出せなかった。
SさんとKさんは、再び動かなくなった『袋』を担ぎ上げた。
それまでと違うのは、真ん中に俺が入ったこと。
もう中身を知ってしまったので、一連托生だ。
それからその13号坑道ってやつを、延々歩いた。
今までの広い通路とはうって変わって、幅が3mも無いくらいの、狭い通路だった。
右手は常に壁なんだけど、左手は時々、下に下りる階段があった。
幅1mちょいくらいの階段で、ほんの数段下りたところに、扉がついてた。
何個目か分かんないけど、Sさんがある扉の前で止まれって言った。
そこもまた『帝国陸軍』。
『帝国陸軍第126号井戸』って書いてあった
(128だったかも。偶数だった記憶があるけど忘れた)
それでSさんに言われるまま、中に入った。 中は結構広い部屋だった。
小中学校の教室くらいはあったかな。その真ん中に、確かに井戸があった。
でも蓋が閉まってるの。重そうな鉄の蓋。
端っこに鎖がついてて、それが天井の滑車につながってた。
滑車からぶら下がっている、もうひとつの鎖を引いて回すと、
蓋についた鎖が徐々に巻き取られて、蓋が開いてく仕掛けになってた。

909 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:58:23 ID:wohjQNUp0
オレは言われるままに、どんどん鎖を引っ張って、蓋を開けていった。
完全に蓋が開いたとこで、二人が『袋』を抱え上げた。
もう分かったよ。
この地底深く、誰も来ない井戸に、投げ込んでしまえば、二度と出てこないもんね。
でもひとつだけ分からない事があった。
なんで「生きたまま」 投げ込む必要があるの?
二人は袋を井戸に落とした。
ドボーン!水の中に落ちる音が、するはずだった。
でも聞こえてきたのは、バシャッて音。
この井戸、水が枯れてるんじゃないの?って音。
SさんとKさんも、顔を見合わせてた。
Sさんが俺の持っているマグライトを見て顎をしゃくってみせ、
首を傾げて井戸を覗けってジェスチャーをした。
マグライトで照らしてみたけど、最初はぼんやりとしか底まで光が届かなかった。
レンズを少し回して焦点を絞ると、小さいけど底まで光が届いた。
光の輪の中には『袋』の一 部が照らし出されてる。
やっぱり枯れてるみたいで、水はほとんど無い。
そこに手が現れた。真っ白い手。
さらにつるっぱげで、真っ白な頭頂部。
あれ、さっきの『袋』の人、つるっぱげじゃ無かったよな。
ワケが分かんなくて、呆然と考えていたら、また頭が現れた。
え?2人?
ますます頭が混乱して、ただ眺めてたら、その頭がすっと上を向いた。
目が無い。 
空洞とかじゃなくて、鼻の穴みたいな小さい穴がついてるだけ。
理解不能な出来事に、俺たちは全員固まってた。
しかも2人だけじゃ無さそうだ。
奴らの周囲でも、何かがうごめいている気配がする。
何だあれ?人間なのか?なぜ井戸の中にいる?何をしている?

910 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:58:52 ID:wohjQNUp0
その時、急に扉が開いて、人が入ってきた。
俺は驚いてライトを落として、立ち上がってた。SさんとKさんも。
入ってきたのは、Nさんだった。Nさんは俺たちを見て、怪訝そうな顔をした。
「S、もう済んだのか」
Sさんは少しの間、呆然としていたけど、すぐに答えた。
「済みました」
Nさんは俺たちの様子を見て、俺たちが井戸の中身を見た事を悟ったみたいだった。
「見たのか、中を」
俺たちはうなずきもせず、言葉も発しなかったが、否定しないことが肯定になった。
「さっさと蓋閉めろ」言われて俺は、慌てて鎖のところに行って、
さっきとは反対側の鎖を引いて回した。少しずつ蓋が閉まっていく。
「余計な事を考えるんじゃねえ。忘れろ」そう言われた。
確かにそうなんだけど、ぐるぐる考えた。
殺しちゃまずいって、Sさんは言ってた。
Sさん自身も、なぜ殺しちゃだめなのか、知らなかったんだと思う。
生きたまま落とした理由は?
生きたまま・・・・あの化け物のような奴らがいるところへ。考えたく無くなった。
俺たちは来た道を戻り、車で道に出た。
今度はSさん、Kさんは、Nさんのベンツに乗っていった。
そしてそれが3人を見た最後になった。
俺は思い出していた。あのとき『袋』に入っていた男の顔を。
最近出所してきた、会長の3男だった。出来の悪い男というウワサだった。
ケチな仕事で下手を踏み、服役していたらしい。
俺は2、3回しか顔を合わせた事が無かったが、大した事無さそうなのに、
威張り散らしてヤな感じだったのを覚えてる。
だからといって、会長の息子を殺すのはアウトだよ、死体を隠したっていずれバレる。
それでも出来るだけバレないように、俺を使って運んだんだろうけど。
あの出来事から2週間くらいして、Nさんが居なくなった、
お前も姿をくらませって、Sさんから電話があった。バレたんだ。会長の息子を殺ったのを。
組から距離をおいていたのが幸いして、俺は逃げ延びる事ができた。
SさんやKさんがどうなったのかは知らない。

あれから数年、俺は人の多い土地を転々としている。
これはあるネットカフェで書いた。
もうすぐネットカフェも、身分証を見せないと書き込めなくなるらしい。
これが最後のチャンスだ。
組の人たちがこれを知れば、どこから書いたのか、すぐに突き止めると思う。
だから俺はこの街には、二度と戻ってこない。

誰かあの井戸を突き止めて欲しい。
なぜあの井戸に、暴力団なんかが鍵持って入れるのか。
そうしたら俺の追っ手は、皆捕まるかも知れない。
俺は逃げ延びたい。これからも逃げ続けるつもりだ。

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