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  • 2016.08.26 Friday
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『CABIN』劇場鑑賞レビュー。


仕事が終わったZE、久々の娑婆だ娑婆シャバダバダシャバダバダドゥ〜ダバダバ!
ここ数年で最強悶絶締切り無限地獄を脱した昨日、こんな鼻歌を歌いながら映画館に特攻。
【あなたの想像力なんて、たかが知れている】と挑発的なキャッチコピーで巷で評判の、
定番を打ち破る!と自ら高らかに宣言してるホラー映画「CABIN」に鑑賞挑戦。

なんだろね、納品明けは映画を観るのが厄払い的な、そんな感じ。
ここ数年、奇数月前半は単なるデザイナーでなく、フリー編集として企画から誌面構成、
デザイン、ネームまで完全パッケージ納品、いわゆる完パケの仕事してて。
雑誌を作るっていう作業は、素材を掻き集めて自分の頭ん中の妄想的な物語を、
紙の上に作り上げる、いわば紙が舞台で読者相手にエンターテイナーするのが仕事。
なので自分の内を吐き出し尽くして、文字通りカラッポになるんっスな、毎号。
で、成分補給みたいな意味合いで他人の妄想を補給しに行く…ってな感覚かなぁと。
前回劇場に観に行った「ホビット」もたしか校了明けの翌日で。

ま、そんな訳で怖いコピペをTOP放置のままでしたがおまたせ、また再開っス。
…んだぁ?やっと怖い話見なくて済むよ思ったら、今度は怖い映画の話じゃねぇかよ!
怖い繋がりとかふざけんなこの腐れ四十路!!ってツッコんじゃいやん(苦笑

さてさて、今作「CABIN」の評価を先にズババッ!とPOO節で斬り捨てておく、
当ブログ映画レビューの鉄の掟に従うならこの一言。

まさに『破格』の映画。

いや、ホントに掛け値なしの凄い映画を観てしまった。
自慢じゃないが、この貧乏な俺様がですYO!?
もったいなくて、ここ20年は買った覚えの無いパンフレットをですYO!?
鑑賞直後に売店ダッシュして買ってしまう、とんでもない行動させてくれたんっスYO!!!

破格の意味は「しきたりや通例を破って並外れていること、そのさま」。
ホラー映画ってのは「インキーパーズ」のレビューで書いたが、実は制約が多いジャンルで。
予想に反して脇役が奮闘してると、おいおいソコは死んどけよ!とか、
モンスター的悪役が苦戦してると、情けねぇもたつくなケツ蹴り飛ばすぞコラァ!とか、
お約束、こうあらねばならないってな展開を外すとブーイングが来る世界な感じ(苦笑
今作はホラー映画ルールを初っ端から外してるのに最終的にはホラーとして成立してる。
そんな正しい日本語の意味での「破格」な映画を観れて、眼福ヘブン状態。

だがしかし!駄作でも無理筋で褒め上げ、名作ですら腐すコトに定評ある?のがPOO節。
この破格のホラー映画に、敢えて苦言を呈するならば。
その破格さゆえにA級と認める事は決して出来ないし、
これをA級と認めてしまっては絶対にいけない。
ホラー映画マニアとしては何がなんでもB級の域を突破させてはならぬのだッ!!!
は?凄いのに凄くないって言ってんの?オッサン頭おかし〜んじゃね?と思ったそこの君!
この矛盾感がホラー映画マニアには気持ちいいんだが、観れば分かる。
ホラー映画が心底好きな奴が作ったんだろな〜とニヤニヤ出来る稀有な映画なのは保証。
ま、ここから先はレビュー本編でダラダラッと続けるとしましょうかね。

あ、コレを言っとかなきゃと思って、ダラダラ序文書いてたんだった。
ラブクラフト信者は問答無用で必見。だから俺も思わずパンフ買っちゃったんだよぉおおお!
なぜならば「The Old Ones」の名前が出てくるのだYO!
字幕で「古き者」の名前を目にするこの日がやってくるとは思わなかった。マジ感無量。
え?ダゴンとかあったじゃんって?そんなものはなかっt(ry

[2013.3.17追記/補足解説]
徹夜明けの勢いで一気に書き殴ったために、コメントで御指摘いただいたように
長い文章の割にさっぱり意味の通じない難読レビューとなってしまって、大変申し訳ない。
削除して書き直そうかとも思いましたが「赤っ恥は晒し上げ」が当ブログの血の掟。
てな訳で、ちゃんとした解説を最後尾に書き足すことに。興味のある方は是非。

【ネタバレ注意】このレビュー記事は話の展開・結末に言及してます【オチバレ警報】

さてさて。レビューに突入する前に毎度おなじみ、あらすじ紹介から始めましょうかね。

【「CABIN」あらすじ】
女子大生デイナ(クリステン・コノリー)は女友達のジュールス(アンナ・ハッチソン)に誘われ、週末バカンスをジュールスの恋人カート(クリス・ヘムズワース)、カートのアメフト部の友人ホールデン(ジェシー・ウィリアムズ)、マリファナ大好きな変人マーティ(フラン・クランツ)らと、カートのいとこの所有物である山奥の別荘で過ごすことに。その別荘はGPSにも表示されない森の奥深くにあり、まるで人間の浸入を拒むような不気味な気配が漂っていた。しかし若者達は大自然の空気に酔い痴れ湖で泳ぎ、夜になると「パーティーを始めようぜ!」と飲み騒ぐ。その光景を何処かの施設で、監視カメラのモニターで逐一チェックするのはワイシャツ姿の二人の男、シッターソン(リチャード・ジェンキンス)とハドリー(ブラッドリー・ウイットフォード)。何故人里離れた山小屋に監視カメラが付いているのか?そして若者を監視する意味とは?男がモニターを見ながら手元のボタンを押すと、山小屋内の床が突然開き、地下室への階段が姿を現す。妖しげな小物で満たされた室内に誘われるように降り立つ5名。その姿をモニターで観ながら男達はつぶやく。「さぁパーティーを始めよう…」彼らの目的は?そして若者達の運命は?



タイトルの「CABIN」とは木造の小屋、という英語。
原題は「THE CABIN IN THE WOOD」、森の中の小屋、という感じなのよ。
だから、決してタバコの銘柄ではありません(笑
懐かしいなぁ〜…POOは喫煙者なんですが初めて吸って数年愛飲してたのはCABIN。
あれからもう20年経っちゃったんだよなぁ…週末バカンスしてた若造だったなぁ俺も(遠い目

さて、この5人組の若者が山奥にバカンスに行く…そこにはなぜか必ず湖があって、
山小屋に着くと、水着になるためにヒロインの着替えシーンがお約束。
夜はパーティーの途中で抜け出したサブキャラカップルが屋外でHに雪崩れ込むお約束。
13日の金曜日などで御馴染みの、ホラーの定番ルール(お色気ver)なんですが、
今作が「破格」なのは、そんな細かいルールにちゃんと一々従ってみせてから、
その外側にさらにデッカイ仕掛けを施すんですな。
ひとつ謎を解くと、その外側に謎があって、また解くと更に謎がデカくなっていく膨張方式。
通例を破るのではなく、丸ごと飲み込んでみせてからさらにデカい恐怖を提示する。
予告編でド〜ンと謳っていた「マルチ・レイヤー・スリラー」がなんなのか?
いやはや浅学な四十路にはさっぱり分からんのですが(苦笑)、まぁこんな意味合いかねぇ。
仕掛けがどんどんデカくなっていく様が、サスペンス的なノリもあって実に面白い。

POOはこの「CABIN」、22時からの最終上映回で観たんだが、そんな時間にも関わらず、
同日直前に18時から観た「フライト」より客が多かったってのはどうなってんだ(苦笑
ちなみに「フライト」のレビューは書きません。だってアレ、ただのアル中の話じゃねぇか!
冒頭の美女スッポンポンなサービスシーンだけは評価が、あれで1800円は無いわ〜。
1800円もあったら、何本アダルトビデオ借りれると思ってんだこの野郎!(爆
てな訳でこの週末、「フライト」観に行こうとしてる野郎共はぜひ「CABIN」にしなさい。
今作にもちゃんとホラー映画定番のオッパイタイムがあるから(核爆



うむ、ここまでは普通にレビューしてみました。
さぁ未見の人はココまでにして、劇場に観に行ってから続きを読んでほしいっス。
なぜなら、ココから先は超ネタバレタイムに突入だからなのでっス!
観た人とアノ展開について熱く語りたい。特に「The Old Ones」のくだりについてな!!!

─────────────────────────────────────────
てな訳で、未見の人が引き返せるように、ちょっと脱線話を。
POOが愛してやまないホラー作家、H・P・ラブクラフトについてダラダラッと。
映画とはまったく関係がないので、レビューを読み進めたい人は先に急いでおくれやす。
画像が一枚出てきたらそこから先はネタバレゾーン開始、要注意。
─────────────────────────────────────────

POOは怖いのなんで好きなの?と、今年に入ってからぐらいからよく他人に訊かれるのね。
なんでだろなぁ〜…毎回、こうなんです!とビシッと答えられた記憶が無い。
POOがこの名前を出されたら問答無用で土下座する、世界で唯一の人物が居て。
その人の名は『ハワード・フィリップス・ラブクラフト』。
このブログで稀に引き合いに出すけど、恐れ多いので大体の場合は『御大』と書くんだが、
御大が「文学における超自然の恐怖」という恐怖小説評論の冒頭に、
こんな一節を書き遺したんだが、それがまさに「POOに電流走る…!」な言葉でしてな。

『人類の最も古く最も強烈な感情は恐怖であり、
恐怖の中で最も古く強烈なものは未知なるものの恐怖である』

人類は闇を恐れる事で火を発明し、外敵を恐れる事で身を守る武器を発明した。
科学的に解明出きる基礎がない大昔、雷を見ればそりゃ神の怒りだ!と恐れるだろう。
だけどいつまでも恐れてる訳にはいかん、恐怖を克服したい、克服するぞこの野郎!
そんな諸々の恐怖ってのをやっつけたり、回避したりする繰り返しが人間の歴史じゃね?と。
人間が進化し続けてきた根底には、恐怖の回避・克服があったのじゃないか?と。
人類の文明発展の裏側に、御大のこの言葉を当て嵌めてみると、ピタッと腑に落ちてなぁ。

幽霊なんかでも結局の処、正体が分からないから怖い、んですな。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、ってのは前述の御大の言葉と同義になる訳で。
そう考えると、御大の系譜を本邦で受け継いできたのは菊池秀行や栗本薫ではなくて、
京極夏彦こそ、正統継承者なんじゃねぇだろうかとも思ったりする訳なんですよ。
未知なる怪に名前を付ける事で、人が理解出来る域まで引き摺り堕とし、
名前を意味する言葉を使って、その名前ごと理解できないモノを解体してしまう…
これは日本人じゃないと出来ない、ある種コズミックホラーの派生なんじゃないかと思う。

ホラー映画を観るということは、恐怖を体感してその物語を克服する(鑑賞し終える)事で、
恐怖を克服した勝利感・達成感に酔う、という米国の心理学研究報告もあるそうで。
惨劇を疑似体験して、見事生き延びる(観客だからもちろん死ぬ訳じゃない)、
そんな経験をスクリーンを通して得る事で、実生活での経験値に変換する効果があるとか。
あぁ、POOの場合は恐怖の克服と締切りの克服と引っ掛けて錯覚させてるのかも。
締め切りの最中は[何処にも逃げ場が無い]ってなホラーな状況だしなぁ。
終わりの見えない恐怖ってのは、これまたコズミックホラーの根底じゃないかね?(強引


未見の方への注意報と称して、かねてから書きたかった自説をブチまけてスッキリ!(笑
さぁ、ネタバレ突入ですが心の準備はOKですかいの?

冒頭にも書きましたが、この映画「CABIN」は配給会社のアイデアなのか、
『あなたの想像力なんて、たかが知れている』がキャッチコピーでしたが、どうっスか?
あなたの想像力VS映画の展開、どっちが上回りましたでしょうかね?
展開が読めなかった!ドキドキハラハラでした!ってな人は、本当に幸せな人だと太鼓判。

いや、別に嫌味じゃなくってですよ?
このネタバレに至るまで、いつもは白地でスクロールさせる構成にしてるんですが、
まぁ毎度、同じような記事の書き方も芸がなかろうと、ホラーについての自説を述べて、
白地スクロールの代用としてんですが、そこに書いたようにラブクラフトという作家が昔居て。
その作家の創造モンスターに、「The Old Ones」って存在がいるんっスな。
映画で、あの組織が散々っぱら口にしてた「古き者」ってのは日本語訳なんですが。
で、その作家の作品を読んだ人間は、もう途中でオチが読めてしまうんですよ、嫌でもね。
あぁ本当の恐怖はゾンビ一家とか半魚人とかじゃなく封印されたアイツらね、と。
序盤は組織の男2人組も惨劇を所望してる存在を「顧客(クライアント)」とボカしてたので、
POOは「ホステル」的な展開かなぁコレとか、まんまとミスリードさせられてたんですが
この名称が出てきた途端、もう一発でオチが分かってしまって哀しくなっちゃって。
ホラー映画においてオチを先に読めてしまう、そんな最大級の哀しさを誰かにぶつけたい(笑
ただあのラストシーンを観る限り、監督はオールドワン=ティターン説を採ったのかな。
あれがノーデンスだったら、なんかイメージが違いすぎてイヤンな感じ。

で、真にこの映画が「破格」な点について書いていこう。
忠告したのに未見の人が読んでるかもしれないので、なるべく単語をボカして書きますが、
鑑賞後なら意味が通じるように、頑張って書くんで付いてきておくれやすYO!

地下室の仕掛けを愚者が解き、処女と共に降下しながら深淵に向かうあのシーン。
若者達が主役じゃなく、かといって組織が勝利者でもない、
本当の意味での、真の主役達によるパーティーが始まった訳ですが、あそこ。
色んな主役が登場するじゃないっスか?古今東西、名立たる主役が勢揃いする惨劇が。
アレが最高に愉快なんですが、本当はアレを許しちゃいかんのです。アレを許すとですよ?
古今東西、すべてのホラー映画はこの「CABIN」に屈する、従属しているっう話になる訳で。
「ヘルレイザー」も「シャイニング」も「キラークラウン」も「学校の怪談」も何もかもが、
全てはこの物語のための『駒』でしかなかった、という真のオチを迎える事態になる訳っス。
なんという大胆不敵、なんという傲慢、なんという天晴れなオチ。
すがすがしいまでに不敵、いわば全ホラー映画の顔面に挑戦状叩き付けたんですよ実は。

この「CABIN」が飲み込んでみせたのは、ただ単にホラー映画の定番ルールだけではなく、
ありとあらゆるホラー映画そのものを飲み込んでみせて、おらどうよ?ってヤッた訳。
これが冒頭に書いた、A級として認めちゃいけないっていう点。
認めてしまったら、現時点でのホラー映画の最頂点に君臨してしまうのよね、構成的に。
だって、ありとあらゆるホラー映画は「古き者」のために存在していた事になっちゃう。
いやぁ、さすがにそれはいかんでしょうと(苦笑
ものすっごいシーンなんだけど、ものすごいゆえに認めちゃいかん、あのシーン。
ホラー映画好きなら必ず一度は夢にまで観た、憧れの垂涎の共闘シーンのハズなのに、
違うんだアイツは本物のセノバイトじゃないんだと否定せねばならぬ、この二律背反。
あぁ、なんという「恐ろしいまでの快感」を与えてくれたんだろうか、この映画は。
ホラー映画界の序列、格付けを完膚無きまでをも破壊しやがった。
まさに、破「格」。
あの脚本が出てきた時点で、もう参った!としか言えないのが「CABIN」の真に凄いところ。

くそぅ、何かむかつくから仕返ししてやる。
米国ではDVDが発売になってるそうで、通販特設サイトからこんな画像を持ってきたった。






あぁ、あの真の主役たちをこうやってじっくり観れるなんて幸せだなぁ(ウットリ
全然仕返しにもなんにもなってない気がするが、まぁ良し。

あ。
パンフレット、600円出して買ったんだけどさぁ。
宣伝サイトと同じ文章しか書いてない上、サイトのキャスト紹介にはちゃんと載ってる、
トルーマン(組織の新人警備員/黒人口髭のイケメン)の写真が抜けてやがんの!
おまけにこの主役達の設定とか載ってんのかと思いきや、映像キャプチャーしか無くてさぁ!!
俺ぁ「The Old Ones」について、どんだけ言及してるんだろう?と超ワクワクしながら、
電車の中で読むのも我慢して、家に近付いたあたりじゃ駆け足になって飛び込んだのに、
「The Old Ones」どころか、こいつらの写真一枚も無いってどういうことさ!!!!!
評論家・町山智浩のコラムだけがオリジナル要素。
真面目に忠告しとくと、パンフレットは絶対に買わなくていい。ホント、金ドブ直捨て(血涙

ダラダラ書き連ねてきましたが、POOなりにまとめるとですな、
この「CABIN」はホラー映画に精通してなければしてないほど純粋に愉しめる側面もある。
深読みせずにシンプルに、スクリーンに映っているモノだけを愉しめるのは羨ましい。
そんな時期が俺にもあったんだよなぁ、と少し切なくなるほど。
俺は恐怖について知りすぎたようだ。
知りすぎた人間の行く末は御大いわく、記憶の忘却を願うあまりの破滅。
ホント、そう思う。
知らなかったら、もっとワクワクして観れたんだろうなぁと。
しかしながらホラー映画、ホラー全般に精通してればしてるほど、
この映画の奥に潜む設定のとんでもない奥深さを噛み締められる、という喜びもある。
キングは怒んないのかなとか、何故最後の最後であの名女優が出てきたのかの真意とか。
矛盾した楽しみを片側だけしか味わえない、この何ともいえない歯軋りする感情。
恐怖は克服出来ても、こればかりはどうにも克服できそうにない。
鑑賞後はマジでこんな顔↓してたんだろうな、俺。


では、最後にこれだけは是非言わせてくれ。
日本すげぇ。
九歳パねぇ。
さすが京都えげつねぇ。
かごめかごめ無敵すぎぃ。
今まで一度も儀式に失敗した事のなかったと言われていた日本チーム、
その刺客を蛙にしちまうとか、お前ら一体ドコの陰陽師集団なのかと問い詰めたい。
小一時間ほど問い詰めた後は、ぜひ俺を弟子にしていただきたいm(_ _)m





[2013.3.17追記/ちゃんとした解説・評価を少し]
この追記は「CABIN」の脚本を完全に解体してしまう文章になるので、
今作の未鑑賞な方、またこれから観に行こうかなぁとお考えの方は【流し読み】推奨。

文中で匂わせましたが、この「CABIN」のオチをひとことで言うと『クトゥルフ神話』。
クトゥルフ神話とは1920年代の米ホラー作家H・P・ラブクラフトが創った独自の神話体系。
この地球は太古、宇宙から飛来した超生命体[古き者]が棲みついて支配していたが、
今は海底や地の底、南極大陸などで眠りについていて、姿を現す事がない。
しかし、その彼らが一度目を覚ますと人間なんては矮小な存在は太刀打ちなど不可能、
そもそもその姿を目にしただけでおぞましさのあまり精神を正常に保てず発狂してしまう。
そんなド級の化け物でも崇拝する人間がいて、人知れず復活のために暗躍する…
というのが、クトゥルフ神話の大まかな概要になりましてな。
ラブクラフト自身の知名度は、同時期に活躍した幻想文学作家の中でも
R・E・ハワード(英雄コナン…シュワルツェネッガーが主演した方…の作者)や、
ロバート・ブロック(ヒッチコック監督「サイコ」の原作者)ほどある訳じゃないんだが、
その壮大な世界観が、オカルトマニアの間では超カルトな人気を誇っていたりしてて。
もちろん管理人も好き過ぎる作家で文中でも敬意を表して御大、と表現したりするっス。

で、この「CABIN」を解説するにあたり、ラブクラフトを知ってる人間にはたったひとこと、
『あぁ、あの映画のオチは「古き者」だから』と言ってしまえば終わっちゃう。
小屋の仕掛けとか、組織の謎とか、若者5人の役割とか、展開を推測する以前の問題で、
冒頭すぐに出てくる五芒星のネックレスでもうマニアは見破っちゃうんっス、実は。
劇中(予告動画内にも)出てくるのは五芒星を変形デザインした五角形ですが、
アレはマニアならすぐに分かる、むしろ分からない訳がないだろ的な「古き者」の印で。

この映画を破格、格を打ち破った!と表現したのはソコなんです。
クトゥルフ神話には宇宙の中心に存在する怪物が居る、という設定があって、
その怪物は、まさにこの瞬間も眠っているから宇宙が存在していられる、
もし仮に目を覚ましたら、宇宙の存在自体が消滅してしまう、というトンデモない話。
そもそも設定自体が宇宙規模なので、劇中で若者を襲うゾンビ一家が幾ら暴れようが、
あぁん〜もうソコじゃないよね真の恐怖の根源は、ってな感じなんっスね。
管理人は吸血鬼も狼男も悪霊も、ホラー映画の『真の主役達』がひとしく好きなのです。
ゾンビものにはゾンビものなりの、ヴァンパイアものにはヴァンパイアものなりの、
いとおしくも素晴らしく、そして褒め称え上げるべき良点が有る!と思っているのですが、
今作ではそんな愛すべき主役が、「古き者」をそのまま封印するためだけに存在する、
結局、ただのコマ扱いに陥ってしまっている訳なんですな。

吸血鬼と狼男がガチで闘ったらどっちが強いのか?
夢の世界から襲い掛かる殺人ピエロと、太古の魔導師がタイマンしたらどっちが勝つか?
そんなホラー映画の主役達の格付け、ファンの妄想みたいなモノを瞬時に吹き飛ばす。
それぞれの世界で輝くを放ってした魅力的な主役たち、
そんな彼らの存在そもものが取るに足らない、「ただの雑魚」に成り下がってしまう。
「古き者」って存在を物語りの芯に据えると、そういう意味合いになって。
確かに格を破壊したが、ホントにそれでいいのか?
今まで観たすべてのホラー映画が前座扱いになっちゃってるんだけど、それで満足か?
そう思った訳なんですな、鑑賞後に。
ラブクラフトの作品は大好きで、今までに何度も映画化!?みたいな情報が流れて、
その度にこのブログでも取り上げてきたが、こういう形での出演はどうなのよ?と。
彼らはモブキャラじゃねぇんだ、前座じゃねぇ!みんな魅力溢れる凄ぇヤツらなんだッ!!!
そんな管理人の魂の叫びみたいなものを、このレビュー記事で表現するために、
わざわざ海外公式サイトから彼らの勇姿を持ってきて貼りまくったのは、そんな意味。

脚本自体は決して悪い訳じゃないんですよ、今作「CABIN」は。
むしろ、よくこのプロットを映像化した!天晴れ!と褒め称えたい気持ちの方が大きい。
ホラー映画によくありがちな、森の中の山小屋ってなシチュエーションを、
明確に悪意を持って閉じ込められた環境、として描くなんてなかなか思い付く話じゃない。
なんで毎回、そういうシチュエーションでは若者たちは殺されるのかぁ?という疑問に、
監視して誘導して生贄として捧げる必要があるから、と意味を持たせたのも凄い。
ホラー映画にありがちな、なんでソコに行くの?なんで殺されるの?その意味ってなに?
という、誰しも一度は持った事のある疑問に、すべて回答している脚本。
これはある意味で前代未聞、まさに破格のシナリオなのです。

怪物たちの格付けをブチ壊し、観客の疑問すら完膚なきまでに解消する。
そんな二重の意味で、今作は「破格の映画だ」と冒頭で評価させていただいた訳でして。

でも、正直な本音としては「クトゥルフ神話なんて知らなかった方が良かった」なのね。
知識もない、まったくそんなモノを知らないまま観れたら、どれだけ楽しかっただろうなぁと。
なんか最後の最後にすっげぇデカいヤツ出てきた〜!!と興奮して家に帰れる。
実際、そんなふうに帰っていく観客の尻目に、ものすっごい複雑だったのですがね(苦笑
夢にまで観た、作家の創造した怪物が実写化されて(一部ですが)銀幕を暴れる。
その感動と、前座として退場せざるを得なかった愛すべき怪物達。
この相反する感情を秤にかけて、どっちを優先すべきなのか?と考えあぐねた結果、
今作を認めちゃいけない、となったのが偽らざる心境なのでありまして。
破格なのもいいけど、程度ってもんがあるだろ程度ってもんが。
それが今作「CABIN」を観た管理人の、素直な評価なのでありまっス。
世の中には不思議なことなど何も無い、とどこぞの古本屋は言っておりましたが、
世の中には知らなかった方が良いことはある、とどこぞの四十路は呟いておこうかなと。

追記も充分過ぎるほど長いんですが、まぁこういうブログなんでひとつ御勘弁を。

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  • 2016.08.26 Friday
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コメント
いやぁ、ハンパねぇス

何が書かれてんのか、全く解らない(笑)

ただ、一つ理解出来たのがDVDがスタンダードになっている、この時代にエロビデオが何本借りられるか!と表現したPOOさんの育った時代背景(笑)

ほっこりとしました。


予告を見て、宇宙人の仕業?と思ってたけど、違うっぽいですな…
  • ま。
  • 2013/03/16 7:46 PM
>ま。さん
おっ、どもどもでヤンスよ!

>>何が書かれてんのか、全く解らない(笑)

うはは鋭いなぁ、正解。
このレビューは文字通り「けむにまく」つもりで書いたんっスな。
オチ、っうか評価は実はたった一言で済ませられる映画だったから。
しかし、指摘されて読み直してみたが、こりゃ随分酷い文章すぎて(苦笑
なので、ちゃんと分かるような追記を書き足しました。
それでも充分すぎるほど意味不明かもしれませんが(爆
1800円出して映画館に行ってもいいんだが、数百円でレンタルするなら
もう全然OK!なレベルにある良いホラー映画だったので、
街のレンタル屋に出回ったら一見するのをオススメしときますでヤンスよ♪

おう!?
そうか、今時はみんな生まれた頃にはDVDってのが存在するんだよな〜。
オジサンの頃はネェ、VHSのテープを自転車のカゴでガシャガシャいわせながら
レンタルビデオ屋と自宅を往復したりしてたもんでなぁ…(遠い目

…っうことは君は平成生まれなのか!?
もしかしてお父さんとPOOとそんな歳が違わないっていう驚愕のオチがあるのかね(笑
  • POO
  • 2013/03/17 10:40 PM
37なんで、自分もいい加減おっさんですよ。

マイ・ラバーは、伊藤まきですもの。

追記は真っ白だったのですが、本当は少し伝わっているので大丈夫だと思いますよ。自分が、全く解らないと感想を書いたのは
「え…?まさか…そんなオチが許されるの?」
「そんなわけ無いよね。」
と思って、無理矢理に思考をねじ曲げてしまったからです。

でも、もしそうなのであれば、とんでもないB級映画だなと…(笑)

レンタルが出たら借りてみようと思う程の興味が沸きました。
  • ま。
  • 2013/03/17 11:12 PM
>ま。さん

>>追記は真っ白だったのですが〜

アイヤー!正直すまんかったアル。
白の隠し文字はやめて、携帯からでも読めるようにしておきました。
…おっかしいなぁ、以前自分のスマフォからココを覗いてみた時、
白文字がそのまま表示されてて、意味がねぇ!とツッこんだ記憶が。
JUGEMは密かにカスタマイズするからなぁ油断も隙もねぇ。
だがそんなJUGEMがダイスキです(苦笑

っうか衝撃だったのは歳が近いってコトだぜ!
なんだよなんだよ、独りでオッサンぶって損したZE!!!

うむ、ぜひぜひ「CABIN」がレンタルされたら観てほしいでっスよ。
限りなくA級に近い、とんでもB級なのは間違いがない。
だいたいさぁ、山小屋で襲われる若者…なんてチープなホラーに、
宇宙規模の巨大ホラーぶちこんでかき混ぜてどないすんねん!?ってのが
今となって冷静に考えたレビューひとこと版なんですけどNE。
この映画は怖さの質よりも、そういったバカバカしいB級感を愉しむ映画で
なにも目くじら立てて責めなくても良かった気もしますが、
まぁそんなイキリ立った暴筆もこのブログの味だと見逃していただければ幸い。
でも、肝心の神話ネタを分かるヤツしか100%楽しめないのもホントで
「インキーパーズ」といい、最近はこういう作りが多くってヤアねぇという気分。
なんかこう、スパッ!と怖いホラーは無いものか?ねぇ?
  • POO
  • 2013/03/18 1:44 AM
なんか…、スマホを使ってると指から邪悪な電磁波が伝わってきて、そのうち大変な事態になりそうなので嫌いです(笑)

やっと理解できました。クトゥルフを封じる為にジェイソンが働いてたって事なんですね。
で、最後はクトゥルフが復活してドカーンと…
こんなオチですかね

レンタルリリースが楽しみです(笑)
  • ま。
  • 2013/03/18 4:02 PM
>ま。さん
去年の3月までムーバだった四十路はスマフォに変えた瞬間、
原始人から一気に文明人になった気がして
怖いなんてレベルの話じゃなかったのは特に秘密じゃないZE!(爆

ま、気が向いたらDVD借りてみてくだされ。
ホント、バカバカしいB級っス♪
  • POO
  • 2013/03/21 9:27 AM
はじめまして。

このまえ、兄がWOWOでキャビンを撮っていたのでみていたら、なんとまぁ、、、

「古きもの」の字幕があってもう察しました。
半魚人とかゾンビが出てきた時点で私もオチが
わかりました。

仲間ってかんじでブログを拝見させていただきました。クトゥルフのセッションなんて、、、
女神さまの気まぐれで決まるあるようなもんですよねwww
  • さぶれ
  • 2014/06/03 9:05 PM
>さぶれサン
うわわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
すいません、大変申し訳ないッ。
コメント頂戴してたのを、すっかり見逃しておりましたああああ!!!!orz

もう年も明けてREC4のレビューを先日UPしたのですが、
そこでこのCABINのレビューへのブログ内リンクを貼って、
翌日になってこの記事を見直していたら、さぶれサンのコメントに初めて気が付いた次第。
いやぁぁ〜〜〜ホントに申し訳ないm(_ _)m
スルーとかシカトしてた訳じゃないんっスよぉおおお、信じて!

追記部分にも書きました、オチに登場する黒幕の「名前」なんですが、
アレ、予備知識があったら間違いようがないんっスよね(苦笑
なので、地下階層でのモンスター大バトルはさすがに映像としてはSUGEEと思っても、
もう頭のどこかでは、あぁコイツらも後わずかの命か〜…と
冷めてしまっている自分も居て、なんともまぁ、な感じでした(苦笑
ただ、クトゥルフマニア的には、あんな感じでのカメオ出演でしたが、
おおお!遂にちょっとはマシな映像化に成功したのか!?と狂喜乱舞しましたが。
もう、血が騒ぎまくってパンフ買ったら、な〜んにも載ってないってオチっスよ(笑

長らく放置状態で申し訳ない、本当に。
今でもホラー映画とか観ておられるんでしょうかね?
「ザ・オールド・ワン」の一言で全てが通じる方なので、きっと筋金入りだとは思います。
また、何かのホラー映画のレビューでお逢い出来れば、
今回のうっかり見落とし分まで、何かお詫びさせていただきますZE!
…でもダゴンのレビューとかは勘弁してほしいかも(爆
  • POO
  • 2015/02/02 2:55 PM
はじめまして、こんばんは。
REC4のページを見てCABINを知りました。
ご紹介(?)ありがとうございました。


どころで。。。

「処女は苦しみさえすれば死ななくて良い」
って設定でしたよね?

日本チームの生贄は小学生ぐらいですが、既に喪失してる子が混じっていたのでしょうか??(笑

恐らくは全員処女で、米チームが儀式が失敗したと勘違いしただけなのでは?と勘ぐってみたり・・・

・・・最後の手は単なる地下モンスターの1匹で愚か者も死んで米国チームも儀式成功ってウルトラC級の大団円を想像してしまいましたw
 


  • 遅まきながら
  • 2015/02/28 3:02 AM
>遅まきながらさん

どもども、コメントありがとうございまっス。
長らく放置状態で申し訳ないっス。

「処女」うんぬんの設定は、今、思い返してみてホント〜に吹いた。
POOのコーヒー(インスタントだけどw)を返して!!

でも今になって思い返してみると、結構面白かったよなぁこの映画(苦笑
B級にもC級にもZ級にも振れる、ってなシナリオ展開の幅の広さが
脚本家の苦労を感じさせてくれて、なんとも(笑

日本チームはアレっスよ、
神と契った的な最近のラノベみたいなエロ展開があったに違いないと
睨んでいるのですが、どうですかね?
う〜ん、POOは脚本家にはなれなさそうだ(自爆
  • POO
  • 2015/06/12 10:42 PM
気になっていたので大変参考になりました。

ホラーの定番を踏襲していると見せておいて、最深部が古き者とは恐れ入りますなw

ホラーを匂わせておいてファンタジーにオチるスティーブンキングとはまた違うタイプですね。
  • たたた
  • 2015/12/11 11:51 AM
>たたたサン

どもども、コメントありがとうございまっス!

オチの古き者は正直な話をすると、
出た瞬間、ガッツポーズを劇場で途中までやってしまったという(苦笑

定番を踏襲しつつ、それらを全て呑み込んだ上で、
最強ホラー(というとラブクラフト御大は苦い顔するかもw)で包み込むという、
壮大なシナリオの練りこみ方は最近のホラーではピカイチでしたねぇ。
賛否はあれど、なかなかに面白い着地点だったと思います。

そんな大した作品の解説が、こんな場末のブログで上手く伝わったのかどうかが
少々疑問ですが、何かしら、伝わるものがあったならば幸いです。

いや〜しかし。最近映画観てないっスなぁ。
なんぞ良さげなホラーとかはないもんじゃろうかのぅ。
  • POO
  • 2015/12/14 6:55 PM
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