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  • 2016.08.26 Friday
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『パシフィック・リム』劇場鑑賞レビュー。


2013年サマーシーズンは、夏休み興行ということで映画も大作が目白押しでしたが、
先週末にようやく暇になった四十路は昨日、映画館に足を運ぶ事が出来まして。
秋シーズン作へとスクリーン入れ替えの時期、何を観ようかなぁ〜と悩むフリだけして、
上映が残り3日、しかも一日一回上映のみになった「ロボットVS怪獣」映画に迷わず直行。
当ブログ、コメント欄での公約を遂に果たして参りましたでやんすYOO!

台風一過の平日13時。
いやぁさすがに人、居ねぇだろなぁ〜とか思っていたら、ちょっくら認識が甘かった。
120席ぐらいのスクリーンに15人ぐらい居た。うおっやっぱ少ねぇ(苦笑
表題映画『パシフィック・リム』は、ちらっと映画サイトを流し読んだだけですが、
制作費80億円掛けたのに、全米興業成績が30億円程度ってほどの外しっぷりだったそう。
あぁ、まぁロボット映画がそんなに大当たりしても逆にビックリするわい!と思いながら、
後ろから2列目という、いつもはそんなトコに陣取らない後方席から客席を眺める。
大学生らしきカップルがポップコーン持って入ってくる。
おいおい、デートムービーにこんな映画選んで大丈夫か!?怪獣だぞ出てくるの。
老夫婦が薄暗い階段に足元おぼつかな感じでゆっくり上がってくる。
おいおい、じっちゃんはともかくばっちゃんは大丈夫か!?ロボットだぞ戦うの。
興行収入から推測されるB級感満載っぽい映画内容の心配よりも、
他の観客の2時間後の精神状態が心配されて、上映前から独りハラハラする四十路。
むぅう、上映前のこんなトコから手に汗握る物語りが始まっているとはッ!
さすが鬼才と呼ばれるデル・トロ監督、やるな!!(←勘違い

さて、まずは結論からズバッと書くのが当ブログ映画レビュー、鉄の掟。
その筋のマニアを製作時から騒がせまくったハリウッド版特撮映画『パシフィック・リム』は、
ウルトラマンで産湯を使い、ゴジラを父と仰ぎ、ガンダムを母とした、その筋の中でも、
さら〜に筋金入りマニアを自認する四十路である、POOはどう観たか?
ズバッと行くぜ!


やっぱ毛唐に怪獣映画は

早すぎたっス(´・ω・`)ショボーン


【このレビューには完全なネタバレ+オチバレが含まれます。ご注意ください】


さて毎度おなじみ、あらすじ&予告編動画の紹介からレビューを始めますかいな。

【パシフィック・リム:あらすじ】
2013年、未知の巨大生命体が太平洋グァム沖の深海の《裂け目》から突如現われ、世界各国の都市を次々と破壊して回り、瞬く間に人類を破滅寸前へと追い込んでしまう。その凶暴な破壊行為と凶悪な外見から、巨大生命体は《KAIJU》と呼ばれる。そのKAIJUに対抗すべく、人類は一致団結し科学や軍事のテクノロジーを結集し、人型巨大兵器イェーガー(独語で「狩人」の意)の開発に成功する。2名のパイロットの搭乗で動き戦うイェーガーは互いのパイロットの精神を同調・融合させる事でパワーを増幅させるため、兄弟や親子といった血縁関係での搭乗が有効とされていた。アメリカ防衛を任務としていたイェーガー《ジプシー・デンジャー》に兄と共に搭乗していたローリー・ベケット(チャーリー・ハナム/声:杉田智和)は5匹のKAIJUを倒していた優秀なパイロットであったが、アラスカ防衛時にKAIJUに兄を殺されパイロットを辞めてしまう。当初は世界各国のイェーガーに太刀打ち出来なかったKAIJUだが、日増しに出現数と破壊力を増していき、イェーガーの損傷・損失を上回る攻勢を掛けてくる。最初の襲撃から12年後、遂に人類はイェーガーによる戦闘防衛作戦を放棄して巨大な防護壁を造り、その内側に閉じ篭る選択を選んだ。イェーガーを率いるPPDC(環太平洋防衛組織)の司令官、スタッカー・ベントコスト(イドリス・エルバ/声:玄田哲章)は最後の作戦として残存している全イェーガーを召集、《裂け目》を直接攻撃してKAIJUによる襲来の元を断つ事を決意。オーストラリア防衛任務に就いていた最新かつ最強のイェーガー《ストライカー・エウレカ》を護衛するイェーガーとして、かつてアラスカ防衛戦で大破した《ジプシー・デンジャー》を修復し、そのパイロットとして《壁》の建設員に身をやつしていたローリーを呼び戻す。最終基地・香港に集められた残存する4体のイェーガーとパイロット達。ローリーの新たな相棒として、マコ・モリ(菊池凛子/声:林原めぐみ)も選ばれ意気上がる面々。しかし作戦決行を目前にして、今まで1体でしか現われなかったKAIJUが2体同時に出没、香港を襲撃する。史上最大の危機を迎えた人類の存亡や如何に?




動画が2つありますが、上はちゃんと配給会社が製作した予告編で、下はファンが製作。
しっかし、どう観たって絶対下のほうが面白いやんけ!というコトで2つぺタリ。
音楽が伊福部マーチですが、映像は本編のモノなのでご安心を。

さて、本格的にレビューにはいる前に少しばかり補足を。
当ブログのレビューでは、いつもあらすじには作中名(役者名)という感じで表記ですが、
今回は、吹き替え版の声優さんも表記に加えさせていただきましたでっス。
何故か?いやぁ実は今回、吹き替え版で鑑賞してきたからで。
字幕絶対派という訳ではないですが、POO的にはDVDで観る時も必ず字幕派でして。
特に意味は無いんっスけどね(笑
ただ俳優の声ってのも作品を味わうためのスパイスと思ってて、なるべく地を味わいたい…
そんぐらいの意識なだけですが。英語、ヒアリング出来ませんっス当然(苦笑

しかし、だ。
この『パシフィック・リム』を先に観てた映画友達の忠告で敢えて吹き替え版で鑑賞。
その忠告は、上映時間中ずっとスクリーンを所狭しとイェーガーやKAIJUが動き回るため、
字幕読んでると肝心なアクションシーンについていけなくなるぞ、と。
なもんで、いつもは中段に陣取るのにあえて後列2番目という座席を押さえた理由もそれ。
結果として、忠告聞いといて良かった〜あんなん字幕読んでられへんわ〜!とドンピシャ。
もうね、最近のCGえげつないわーと思わずお国言葉の関西弁が炸裂しそうになるぐらい、
ゴリゴリとか、ヌルヌルとかじゃなくて、ギュルンギュルンってな感じ動く動く。
字幕読まずに集中してても一回じゃ見逃してる細かい部分、山ほどあるだろうな〜ってな、
そんぐらいの超圧巻ハイスピードなバトルシーン満載な131分。
あぁコレ、金掛かってるわぁ〜と嘆息するほどの出来。
劇場公開は全国どこも終わりそうなので、DVDで見る時はホント吹き替え版にしとけ!
もっさりした印象のイェーガーなんっスが、その想像は良い意味で裏切られる。
マジ、ギュルンギュルンのグリングリンでドッキュンバッキュンっス。
30億円のがッチャマンなんて目じゃない、80億円の底力ってやつを見せ付けられるぜ!!
あ。ちなみにガッチャマンは観てません。今後も観る気ないっス。
何かチョー豪華なイチャラブ恋愛巨編っう話を聞いて、あぁ、そんなこったろうと(爆
(観てないけど)同じCG観るんなら、パシフィッとけ!間違いないから!
ホント80億円舐めんなビーム発射、バシュンビヒュンドドドドーンと動きまくりっスから。

が、ソコなんっスな、最大の問題が。
その終始スピード感に溢れた、超近未来型の優れたCG技術ゆえに毛唐はダメだっう話。

その話の前に、結局面白かったのか、面白くなかったのか?
その二択で訊かれたなら、四十路は本作は間違いなく「面白かった」に分類しまっス(断言
いや、そこは御世辞ヌキでホントによく出来てる特撮映画でした。
映画の日でもないし、レイトショー割引きもない時間に観て1800円を払いましたが、
まったく惜しくは無かった。パンフも買おうかと思ったぐらい。
後々後述しますが、実に好みのキャラも居て大満足。
DVDで出れば、もう一回ぐらいは観てもいいかなぁ〜と思えるぐらいの良作。
ハリウッドが本気出して怪獣映画作ったらこうなったのか!と鳥肌立てながら観てました。

だが、しかし。
怪獣映画が好きだからこそ、今回のレビューでは苦言を呈せねばならんのです。
ハリウッドが本気で作ってきたからこそ、怪獣の生みの国に住むイチマニアとしては、
本気モードで叩き返して、突き放さないといかん!というジレンマが。
えぇい、もう炎上覚悟で書き殴りますんで、流れが気に喰わない方はすまぬm(_ _)m
色々語りたいんだが、サクッと本丸から攻めていきますえ?

本作は「ロボット映画」で括ってもいいし「怪獣映画」でもいいし、そこはどっちでも可。
ま、その辺のカテゴライズは好きな方を主張していいんでないかい。
でも、そのどちらの場合においても、特撮においてはですよ、
究極的なまでに大事な《御約束》ってのが存在して、本作はまったく踏襲してないっう。
それゆえに、瞬間、瞬間の躍動感は凄まじいモノがあるんだけど、
観終わった後にぶっちゃけ「あぁハリウッドって金持っててスゲェなぁ」程度の感想しか無い。
いやぁ、そりゃ本国でも大ゴケするわ、こんなもん。

いやぁ、なんかさぁ、帰宅してからやっとこレビューサイト巡りしてたら、
みんながみんな、ハリウッドが本気出して怪獣映画作ってくれたぁ〜嬉すぃ〜♪とか、
これでジャパ二メーションが、私たちの文化が世界に認められたんだぁあ〜☆とか、
阿呆みたいに書いてて軒並み高評価、気持ち悪いったらありゃしねぇ。
なんで日本人って外国、特に米&欧州が褒めて真似してきたら舞い上がるんっスかね?
馬鹿野郎、逆じゃねぇか!と。
アメ公が特撮怪獣映画をノコノコ作ってきたんなら、本家本元の日本人こそはだな、
徹底的にココで叩きのめしておかんと、いかんだろうが?と。
アレで良し、としてたら《KAIJUムービー文化》が世界中に根付かんだろうがYO!!!
本国で50億の赤字出したら、その後の世界公開でも埋まらないんだって、市場規模的に。
興行が失敗したら、その後に同じような企画なんて二度と通らないんだってばさ。
せっかく日本生まれの怪獣が、KAIJUとして世界に飛び立とうというチャンスなのに、
あの程度レベルを、本家本元の日本人が挙って有り難がってど〜すんだ?と云いたい。
日本人としては逆に厳しく論評して再起を促すぐらいの貫禄を見せろって話ですよ、ホント。
タコ助があんな怪獣映画作りやがって!と本家のクリエイターが奮起してナンボよ、マジ。
この後、来年に控えてるハリウッド版ゴジラこそKAIJUムービーの真打ちなのに、
とんだ前座のこけっぷりで、今から怖くて怖くてしょうがねぇっての。
5年前にKAIJUムービーの走り、ハリウッドがこのジャンルを開拓しようとした先行作に、
「クローバー・フィールド/HAKAISHA」という映画があってですな。
あれ、ちょ〜ヒットしたんっスよ。続編の話が幾つも幾つも出ては消えて、ってな感じで。
巨大生物をモチーフにしたジャンル、これはいけるんじゃね?と盛り上がって、
数々のC級D級KAIJUムービーを踏み台にして本作→ゴジラの流れが出来上がったのに、
デル・トロの野郎、その良い流れをブッ壊しやがって!と怒るべきなんっスよ、マニアは。
本作を有り難がって「子供の頃のワクワク感が甦りましたぁ♪」とかレビュー書いてる奴は、
ぜって〜に怪獣映画が心底好きな奴じゃねぇ。流れに乗ってるだけだろタコがぁ!!

うむ、落ち着け俺。
さっそく本丸攻めるって書いた割りに、ただ暴走してしまってすまんっスなぁ。
いやぁ怪獣についてはいつまでも熱くありたいぜと思ってまして。
冷静に、本作の何がダメだった(というよりも足りなかった)のはドコか?というのを書くと、
とにかく、あんまりにも早過ぎて「溜め」が無い、って点。
別に速いのいいんっスよ、リアルな感じするし迫力もあるし、むしろ素直に凄いと感服。
ただ全編通してそればっかだと、印象が流されて薄まってしまって良くない。
むしろ害しかない、って思うんっスよね。
「溜め」ってなんじゃらほい?と思われた方向けに言い直すと「見得を切る」と書こうか。
歌舞伎の見得、浮世絵とかで御馴染みのポーズのアレ。

 

見得、ってのは上の写真みたいに役者が決めポーズを決める、って平たく解釈してくだされ。
ここぞ!というシーンで、役柄を演出するのにふさわしいポーズを取る。
動画でいうとストップモーションのシーン、とでもいえるのかね。
このバシィッ!ビシィッ!と決まった場面で、おなじみ屋号の掛け声が入る訳なんっスな。
その意味は、ココだココが見所だぁ!!ってな演出にあたるわけで。
(↓参考動画/長いのと初出が古いのでおヒマな人だけヒマな時に御覧下さいまし)


その「止め」の美意識こそが、怪獣やロボットには必要なんだと思う訳なんです。
舞台で演じるキャラクター(本作でいうならイェーガーやKAIJU)が、
その恐るべきも素晴らしく見栄えのする破壊行為や止めを刺す必殺技なんかと使った時、
ピタッ!ビシッ!と止めて魅せて、さぁどうだ!?という場面をわざと作る。
その止めに至るまでの行為が凄まじければ凄まじいほど、その止めの瞬間が輝く訳です。

イェーガー、壁、というキーワードが一緒なので、少し脱線してアニメの話を。
最近「進撃の巨人」という漫画がアニメ化されていて、それを毎週観てる訳なんですが、
本作風に紹介すると、KAIJUに対して生身の体(特殊な武器は持つ)で対抗する話で。
で、ついこないだ、作中で人類最強と呼ばれる兵士が戦う回があった訳なんですが、
速いんっスよ、めちゃめちゃ。
1/8のコマ送り動画とかで観てもどう動いてるのかわかんないぐらい速い。
でも速いばっかりじゃなく、一瞬一瞬で動きを止めてみせて「間」を作るんっス、ちゃんと。
その「間」があるからこそ、緩急の差がはっきりしてメリハリも付くし、印象にも残る訳。
KAIJUも人間を瞬殺ばかりするシーンばかりでもなく、「間」を作って殺したりしてる。
両陣営とも、きっちり止めて観客に見せる場面と勢いや流れを優先して見せない場面の、
メリハリがあるから、非常に見ごたえのある作品に仕上がっているので、
幼少期からしこたまアニメを観てきたはずの四十路になってでも、俄然惹き付けられる。

アニメを例に出すと反則か。
よし、ゴジラでもガメラでもいいんだけど、きちんとロングショットで全身の造形を見せたり、
火炎放射や背鰭が発光する瞬間をきちんと見せてくれたりするんだが、本作には皆無。
かろうじて、ジプシー・デンジャーのロケットパンチ直前ぐらいか?
チェーン・ソードで真っ二つ一刀両断のシーンは、アレは高速でもいいんっスよ。
超スローモーションで見せてくれたならば、それはそれでションベン洩らしそうだけど(苦笑

日本のアニメ&特撮好きを広言してて、ロシアのイェーガー《チェルノ・アルファ》のモデルは
アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するロボット兵器・ザクだ、と断言したデル・トロ。
その監督が「間」の取り方を知らない訳がない。
スピードとストップ。その両立こそが特撮の生命線、作品の命綱だとわかっているはず。
なのに、なぜ本作でそういう「間」を取らなかったのか?の回答を、
どっかのインタビュー記事でちらりと読んだんですが(ソース失念、すまぬ)、
CGの荒い部分(特にKAIJUのモデリング)を観客に見破られたくなかったから、と。
戦闘シーンが夜・海・海中という、観にくい場面ばっかだったのはそういう理由がある、と。

あのなぁ、ホントに好きなら逃げるなYO!
「ロード・オブ・ザ・リング」の監督、ピーター・ジャクソンは超が付く原作マニアで有名で。
で、ジャクソンは撮れそうにないシーンでもぜって〜撮る!と逃げなかったのね。
メイキング動画とか観てると、同じシーンの後半が半年後の撮影とかザラっていうぐらい。
好きだからこそ妥協出来なくて、そのこだわりが名監督へと押し上げた訳。
本作もロボットのシーンはハリウッドにもノウハウの蓄積もあるから凄まじいほど、
むしろヤリ過ぎなぐらいの演出で、あれには心底ぶったまげたもんでしたが、
肝心要のKAIJUに関しては、見得を切るシーンが硫酸液吐くときぐらい?じゃぁなぁ…。
羽が生えて飛ぶシーンはビビッた。
あの時ぐらいか、どんな造形してるのかがハッキリ観えて、うぉぉお!と感動したのは。
ラストの《カテゴリー5》に至っては、比較対象も無い深海で戦ってみせたって、
ソレがどんなに想像を絶するバケモノなのか、まったくわかんね〜だろうがYOOOOO!!!!!
ファイナルバトルが一番ショボいってどういうこっちゃー!
ウルトラマンでぜットンが、ガンダムでジオングが、一番雑魚っぽく見せてどないすんねん!
そこは根性見せて、歯ァ喰いしばって映像化せなアカンところやろがぁぁああ!!
胎児とかどうでもいいんじゃぁぁあああ!
もっと怪獣をハッキリバッチリクッキリ観せんかいこのボケナスがぁぁ!!!
俺は1800円払って怪獣観にいったんじゃぁぁあぁああああああああああああああああ!!!!!


書き殴ってる内に、貶してるのか褒めてるのか私怨なのか分からんくなってきた(苦笑
速いのはスリル満点でいいんだがもう少し、ほんのもう少しでいいから、
こういう映画に好んで金を払う客がホントに観たいシーンを魅せる努力をしてほしかった。
実に惜しい。本当に口惜しい。名作の一歩手前で踏み止まりやがって…と思う。
総評しておくなら「(評価的には)腐ってやがる、早すぎたんだ」の一言を進呈したいZE。
無念。



そんな無念を、個人的に晴らしてくれたのがコイツらですよぉぉぉぉぉ!


最初期に作られロシア防衛の任についてた第一世代イェーガー《チェルノ・アルファ》、
その搭乗パイロット、サーシャ・カイダノフスキー&アレクシス・カイダノフスキー兄妹だぁっ!!
なんで、ロシアの戦う人たちって、毎回毎回こんな感じなの?
もうステキすぎて鼻血が出そうなんっスけど。
なんだろな、金髪のオールバックとか個人的にちょ〜ツボに入ってビンビンっスわ(笑
しかしだ!デル・トロ、この野郎ぅぅぅ!!!
チェルノのキャッチコピーが「その堅牢な装甲で、大陸を守れ。」で、
機体説明が「最も重く、最も装甲の厚いイェーガー」とか設定しておきながらよぉおお!
パンチであっさり装甲ブチ抜かれ浸水させた挙句、爆発大破で死亡とかなんじゃそりゃぁ!
てめぇ、キャラクターの立たせ方、まったく分かってねぇなゴラァ!!!!
三本腕の《クリムゾン・タイフーン》といい、あんだけ料理のし甲斐が幾らでもあるのを、
何の見せ場も無く、ただのカマセにしてさっさと終わらすとか莫迦かッ!!!
ただ殺すにしても、もっと盛り上げて見せ場を一瞬でも作ってから印象深くして、
ちくしょーKAIJUめ!と観客を存分に感情移入させてから殺すのが、
物語りを作る人間の、当然の責務ってヤツだろうがYOOOOOOOOOOOOO!!!!!

あ。
ここまで書いて本作の何が不満なのかやっと分かった。
デル・トロ、おまえ、万人を唸らせる程の力量のあるエンターテイナーじゃねぇわ。
お前みたいなただのオタク野郎は、ピーター・ジャクソンに張り合わなくったっていいんだぞ、
その趣向にあったもっとマニア向けで観る者も限られて興行大失敗しそうな、
『狂気の山脈』でも実写化してるのが御似合いなんだよぉお!
KAIJUとかメジャー志向しなくていいから、さっさと作れよこんちくしょうぅぅう!

お。
あとひとつだけどうしても書きたいのが、最新世代イェーガー《ストライカー・エウレカ》。


コレ、観た瞬間に「超時空要塞マクロス」の《バルキリー》だと思ったのは俺だけか?
飲んでたコーヒー、リアルに吹き掛けたんだけど。
いや、もっと居るハズだ!アレがバルキリーに観えたヤツは!!居るだろッ??居るよな!!?
居たらコメントしていけ!(強制



ハリウッドという業界は、東洋の島国に住む僕のようなモブキャラにも伝え聞こえるぐらい、
実に細々とした「制約」がホントに五月蝿いらしい。
皆さんも聞いた事はあるだろうが、有色人種を必ずキャスティングしないといけない、とか
ヒロイン(女性の主要役)を必ず登場させストーリーの核心に絡ませなきゃいけない、とか。
これらは絶対に盛り込まないとダメ、人種差別助長の恐れがあるとの考えらしく、
ロボットに二人乗りっていう設定は、そこから来たんだろうなぁと容易に推測出来たりして。
ま、安易なラブロマンスが大嫌いと広言しているデル・トロなんで、
菊池凛子がイケメン主人公ではなく、司令官に「愛してる」といってみせるシーンや、
ラストはキスシーンではなく、安堵を喜び抱き合うシーンで終わるってシーンが、
なんともデル・トロらしい、メジャー資本や体制へのささやかな反抗心が少し垣間見えて、
そこんトコは「ブレイド2」から追い駆けてきたファンとしては、妙に嬉しかったり。
制約が想像以上に多く厳しい中で、よくぞ頑張ってコレを作ってきてくれた!とマジで思う。

レビューも最後にきて、真面目に素直にまとめる感想としては、
莫大な資本を元に、とことんまで自分の思うが侭、ホントに好き勝手やっちゃったな!と、
ある意味、尊敬するし感服もする。ココまでヤレたら、アンタ、本望でしょ?と(笑
本国アメリカでは制作費を回収出来るほどの大ヒットには残念ながら至らなかったようだが、
さっそくイェーガーを操縦してKAIJUをブチのめす格闘ゲームが発売されてたりと、
狭く深いカルトなレベルではなく、広く浅いマニアなレベルで愛されている。
題材が特撮、しかも怪獣とあって、日本人レベルでも思い入れが各々違いすぎて、
同じファン同士でも、いまでも、すぐにでも、論争が終わらないジャンルではあるが、
そこにがっぷり四つで真っ正面から向かって来てくれた、その心意気だけは、
本作にどれほどのアラを感じようが、微塵も揺るがない監督の功績なのではないだろうか。
前文でちらりと触れた老夫婦。
最後「モンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」のメッセージを観て、
あぁだから本多さんなのねぇ〜ロボットの中に乗って戦う映画って他にあったかしら〜、と
おぼつかない足を旦那さんに支えてもらいながら、きゃっきゃうふふと劇場を後にして。
老年になってもこういう映画が心底好きで、ずっと特撮を追い駆けているファン。
そんな彼等を大変だろうにわざわざ劇場まで足を運ばせた、という現実は揺るがない。
デル・トロもきっと知るよしはないだろうが、貴方の作ったKAIJUムービーの、
怪獣映画の生まれた国でのささやかだが、大いなる功績だと心底思う。

出来うるならば。
この本作の商業的敗北、まだ決定した訳ではないが(苦笑
を乗り越えて、本作ではやれなかった、もっとやりたかった、という部分を全部盛り込んだ、
新しいKAIJUムービーを、いつの日かスクリーンで再会出来ればいいなぁと思う。
そんな意味で素直に、「KAIJU」に新しい息吹を吹き込んでくれたコトに感謝するとともに、
てめぇこの野郎、やるならもっとちゃんとトコトンまで死ぬほど本気でやりやがれ!
と、罵声を投げ掛けて、本作『パシフィック・リム』のレビューを終わらせていただきたい。
長々としたただの書き殴りの、レビューとも言えない駄文に御付き合い下さった方に感謝を。
怪獣とロボットと特撮を愛するすべての人に、更なるムーブメントの盛り上がりを祈って。

え?結局、文句言うんだって?
ちょっと聞いてくれよ、この映画、「間」の取り方がひどくってさぁ(以下ループ





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  • 2016.08.26 Friday
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コメント
レンタルリリース楽しみにしてました
POOサンは怪獣映画大好きなんですね(∩´∀`∩)

レビュー共感いっぱいです〜
ロシア兄妹の結末は悲しくなりました。。(笑
うまくいえないけどストーリーいっぱいなのに物足りないような。。。?
観終わったあとPOOサンのレビューでやっと満たされました(。>ω<。)(笑
ファン製作のトレーラー、おもしろすぎですっっ(つД<。

老夫婦の話ほっこりです〜(●> <●)私もおばあちゃんになってもゾンビ映画を観に行きたい ♪
  • ナム
  • 2013/12/15 3:11 PM
初めまして。自分はパシフィック・リムは
昨今のハリウッド(ほとんどアメコミか欧州の
ラノベを映画化)作品にしては、まあまあ
面白いなと思いました。しかし、許せない
点が2個あります。

まず日本のロボットがコヨーテ・タンゴで
日本名じゃないのと、何故かパイロットは
黒人で、ヒロインを助けた司令官という設定。
次に、ところどころ有色人種に対する差別が
隠れており、不快感がありました。

そもそもジプシー・デンジャーと言う名前が
ジプシーと言う種族を危険と言う意味で、
アメリカを代表するロボットには相応しくない。
更に、キルビルでもそうですが、なんで日本の
女性を美女として出すのに、日本の男を
敵役にしか出さないんだ。
ラストサムライでもそうですが、
白人だけ良い思いして、他は死ぬとか
気分悪いです。こういう作品を若い子が
見て、有色人種に対する優越感を得させる
のは間違っていると思います。
アメリカとオーストラリアの機体が
見せ場が多いのも、おそらく監督が
アメリカの同盟国であるからでしょう。
監督もメキシコ出身ならば、メキシコの
ロボットも出してやれよと思いましたし。
最後に、怪獣を出すのは良いけど、もう少し
色を変えたり、メリハリを作るべきでしたね。
なんか同じ色なので、違いがデザインしか
分からず、ただのモンスターパニックです。

  • 黒人ハーフ
  • 2014/01/11 11:41 PM
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ガメラ:映画「パシフィックリム」でガメラ 2013/09/21
 前回ご紹介の「 /09/17 」に続いて、 先月9日から公開中の、ギレルモ・デル・トロ監督のVFX 映画 『パシフィック・リム』、 http://wwws.warnerbros.co.jp/pacificrim/index.html 18日までの鑑賞記や関連情報などから、主にガメラ関連の事象をご紹介しております。
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