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  • 2016.08.26 Friday
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文庫本カバーデザイン進化論。



最近、文庫本のカバーデザインが大変なコトになっているらしい。
てな訳で、ひっさびさにデザイナーとしてデザイン記事なんか書いちゃおうかと。
まずはその、大変なコトになっているというニュースから御紹介しますかね…
【太宰「人間失格」、人気漫画家の表紙にしたら売れて売れて】
太宰治の代表作「人間失格」の表紙を、漫画「DEATH NOTE(デスノート)」
で知られる人気漫画家、小畑健さんのイラストにした集英社文庫の新装版が
6月末の発行以来、約1か月半で7万5000部、古典的文学作品としては
異例の売れ行きとなっている。

 「恥の多い生涯を送ってきました」という文章で知られる「人間失格」は、
太宰が自殺する1948年(昭和23年)に発表された自伝的小説。
生きることの苦悩を見つめた小説には若い世代のファンが多く、
52年初版の新潮文庫は602万5000部と夏目漱石「こころ」と並ぶ
大ベストセラー。90年初版の集英社文庫でも40万部を超えている。

 従来の表紙は抽象画だったが、編集部は、「いかにも名作」という路線からの
脱却を目指して小畑さんに表紙絵を依頼。新装版は、「デスノート」の主人公・月
(ライト)を思わせる学生服姿の男の子が不敵な顔で座るデザインとなった。

 文芸作品と人気漫画家のイラストという異色の組み合わせはインターネット上でも
話題になり、「このコラボ(共同作業)はすごい。カバー買いしました」との声も
出ている。同文庫編集部は「コミックを読む層が興味を示しているようだ。
若い読者に手にとってもらえれば」と話している。
(ソース元/YOMIYURI ONLINE)



ほほぅ、小畑健がカバーイラストを、それも太宰治ってのは意外だねぇ〜。
それがどんなカバーになっているのかというと、こちらがその表紙であります。どぞ!



おお!まさにライト以外の何者でもない感じがしますが、確かに小畑健!
このニュース、本文中にもありますがほとんどのサイトで取り上げられており、
今更感もあるんですが、三流とはいえPOOもデザイナーの端くれ。
少しはそれらしいデザイン解説も交えながら、カバーデザインを論じたいと思います。

この記事を書く前に、色んなサイトを見て廻って来たんですが、正直驚いたのが
みんなこのカバーデザイン、っうか小畑健の起用に反対なんすね〜。
太宰治がラノベ扱いかよ?っう自嘲的意見や、文学オワタ\(^o^)/っう極論が噴出。
そこに物凄く根の深い問題を垣間見たんで、まずはそこから話をしていこうかと。

みんな『文学』の呪縛に捕われ過ぎじゃないかと思うのですよ。
国語や現代文の教科書に載っているような作品こそが読むのに耐えうる作品であり、
その重々しくて堅苦しいイメージこそが、文学であり小説なんだ、みたいな。
まずはそこんところから、ぶっちゃけて言ってもいいですかね。

全員バカじゃね?

な〜にが文学だか。太宰治なんかこそ、中学生、高校生こそが読むべき本だっつうの。
学問なんてのは、はっきり言って後世のオヤジ共が勝手に後付けしたモノであって、
そんな古臭いカビの生えたイメージに、若い人等が振り回されてるのが滑稽で。
例えばひとつ例に上げますが、児童文学というカテゴリーがありますわな?
その中で最高峰、古典的名作を謳われている作品に『指輪物語』があります。
そう、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作ですな。
アレって、どうやって書かれたか知ってる人はいますかね?案外知らないんじゃ?
作者のトールキンが、自分の甥っ子達(だったと思う。姪だったかな?)に
夜寝る前に聞かせてあげるためだけに作られたお話なんですよ。
だから主人公のホビットは小人な訳。子供をイメージして、感情移入しやすいように。
んで、子供が相手だからこそ中途半端な作り込みでは夢中になってくれん!と
作中でフロド達が冒険する世界、中つ国(ミドルアース)の言語まで設定して、
とことん現実的に思える、何処かに必ずありそうな感じの舞台を作り上げた訳なんす。
元々は、子供をワクワクさせるためだけの作品にしか過ぎなかったんです。
それが作品のチカラがあるとはいえ、今じゃ児童「文学」の最高峰とかって言われて。
決してトールキンは「文学」として崇められるために書いた訳じゃない。
単純に子供を楽しませてあげたいがためだけに書いたのが真実。

翻って考えてみれば、太宰治だってそうだって。
殆どは、自身の学生時代を振り返っての苦悩だったり理想だったりを書いてるだけで、
ナニも最初ッから「文学」として君臨するために書いている訳じゃぁない。
そんなのは後世のどっかのオヤジが、太宰を読んでいる事を自分のイメージアップに
勝手に利用したから、それがず〜っと続いてきたからそうなっただけで。
そんな頭の固い、古臭いオヤジの陰謀みたいなモノの片棒担いでいるのが、
最近の若い子ばっかという現実に、呆れを通り越して、正直噴きました。たはは。
あのな、30、40越えてもう価値観も固まった、感受性も鈍くなってきた、
今更他人にどうこう言われようと、自分の生き方貫くしかない疲れた世代がですな、
太宰治なんか読んだって、もう心動かないってば。
人間失格読んだあと、夜中に突然飛び起きて、死にたくなるようなコトはない(苦笑
そういうのは、感受性が豊かで素直に物語に感情移入が出来る若いモンの特権なのよ。
10代20代前半で本を読めってのは、その世代が一番感動出来るからなのよ。
POOら、オッサン世代は物凄いうらやましいのよ?ホントのとこ、白状すると。
それなのに、太宰?文学って難しそ〜!なんて言ってるのは、もう自分は頭固くて
感受性も鈍くなってきて、オッサン化してます!って言いふらしてるのと同じ。

本来読むべき読者層に、ちゃんと読んでもらう。
そのために小畑健を起用して興味を引かせるのは、極々真っ当な作戦だって。
その点だけでも、POOはこのカバーデザインを十分に評価します。
本文にもありますが、抽象的な幾何学模様をデザインしてお高くとまったってダメ。
本なんてモノは、読まれてナンボのモンなんすから。読まれないモノはただの紙屑。
ケツ拭く紙にもなりゃしねぇ!ってもんでさぁ。ホント、ちり紙以下の価値しかない。
そこにようやく気付いたか、出版社も!という気分です。

んで、デザイン的な解説を少々するならば、この題字の置き方に度胆抜かれました。
人間という生物は無意識に、相対する者の『視線を探る』のね。
人間の視線ってのは物凄いチカラがある訳。
悪意、好意、敵意…なんでもいいんだけどその視線には必ず『意志』が籠っている。
目は口ほどにモノを言う、って昔から言うのは本当なのよ。
その正体を、まずは視線を確認することで、人は判断するのですよ。
雑誌なんかを見れば判るけど、みんな読者目線でニッコリしてるでしょ?
あの視線で買い手を惹き付けて、好意を持ってもらおう、買ってもらおうとする訳。
この人間失格の場合、ライトの目線が読者に向いている訳じゃないですか。
あえてその近くに題字を置く事で、自然にタイトルも無意識の内に意識させるコトに
成功してるんですよ、このカバーデザインって。
でもこれ以上、内側ならウザい!ってなってしまうし、外側なら印象に残らない。
まさに1ミリ内側でも、1ミリ外側でもこの効果はないのです。ホント神業。
POOなら怖くてこんな配置、とてもじゃないけど出来ない。
もっと外側にずらして、顔の両脇に固め打ちなんかしない。っうか思い付かないわ。
そこが三流デザイナーの三流デザイナーたる所以なんだけどね…ってほっとけ!(自爆

さらに凄いなぁと思うのが、作者名を人の文字の内側に入れているっしょ?
文字の反った部分に、邪魔にならないようにそ〜っと入っているけど消えてない。
ちゃんと自己主張している配置に、絶妙な文字のジャンプ率。
これは良い意味での、変態だ。
匠です、間違いなく。

最後にもっと言うならば、色が紅白メインじゃないっすか?
この色の組み合わせが、実は一番売れる配色のパターンと言われているのです。
POOも編集長時代、紅白の配色でデザインしてもらった表紙の号はホント売れました。
雑誌だったりすると、そう何回も連続して使えないのが辛いのですがね。
力強いし、なによりも人を惹き付ける配色、それが紅白。
配色ってのはPOOみたいに中途半端な仕事歴だと、なんか色々やりたがって逆に
とっ散らかって、色キチガイと呼ばれるようなチグハグな配色になりがちなんですが
メイン2色でどれだけインパクトのあるデザインが出来るかどうか?ってのが
腕を上げて稼げるデザイナーになれるかどうかの判断の分かれ目になるのです。
うん、昨年大御所の大先輩に話を聞きに行った時、おもいっきり説教されました。
POOは色をごちゃごちゃ使い過ぎするって。2色でやれってorz
その基本を守りながらも、これだけインパクトのあるカバーデザインに仕上がる…
タイトルは人間失格だけど、このデザイナーは仕事合格だよぅ!
なんてお前が言うな!ってね(自爆

そういう意味で、この手のカバーデザインが売れたってコトが今後の出版業界、
そしてPOOのこれからのデザイナー人生にとっては非常に有意義な事だったのです。
基本を守りながらも、何処かを破壊して、時代の価値観を変えていく。
それこそがデザインであり、出版であったハズ。
色んなサイトを廻ってる時、神職人達が作ったという画像を幾つか見かけました。
これからの「文学」と言われている作品の、架空のカバーデザインです。
これらを作った方々の方が、よっぽど時代を呼んでいて、その壊し方も知っている。
まだまだおもしろいカバーデザインが出て来そうで、進化は終わっちゃいない。
POOも、出版社も、デザインに携わる者は全員必見じゃい!と叫んでおきますかな。
最後に御紹介して、この記事を締めくくろうかと思います。








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コメント
書店員 が あらわれた !

……RPGぽくはじめてみました。
店頭で見ましたよ、小畑カバー人間失格! はじめて見たとき、びっくりしました……遠目だったんですが、かなり印象に残ってます。


二色使いのお話には、思わずうなずいてしまいました……! いつぞのJJの表紙で、白背景に、緑の服きたおねえさんたちが三人並んでいたものがありまして、女性誌の中でも目立っていました。文字や、縁取りは黒や他の色を使っていたので、二色とは言えないかもしれませんが……
デザインする人はすごい! と、思います。



やっぱり、デザイン論の記事、楽しいです♪ また楽しみにしてます〜!

私もがんばらねばっ!
(´u`)=3
  • 元宮芙子
  • 2007/08/24 7:12 PM
>元ちゃん

 たたかう
 にげる
 >なかまにする

…RPG風に返してみました(笑
やはり本屋の店員さんが見ても目立ちますよねぇ、これ。
それだけでも、もうカバーデザインとして成功してるのが判るってもんです。
2色デザインの話をもう少し詳しく説明すると、
白と黒ってのは基本的に、ふたつ合わせて1色とされてるのね。
だからそこにもう1色、計3色使うってのが基本の配色デザインになるんす。
なので元ちゃんが見たJJの表紙っうのは、ホント基本に忠実な訳なんですよ〜♪
POOなんかだと目立たせたいっていう気持ちが先走って、
ごちゃごちゃ色使い過ぎて、結果的に全然目立たないというループに陥るのですわ(自爆
いかにまとまり良く、それでいて人の目を惹き付けるか?
それがやっぱデザインの最終的な到達点なんですよねぇ〜…遠いわ(苦笑

久々のデザイン論、楽しんで頂けてなによりです^^
ですが語れば語るほど、今の自分と比較して凹んでしまうという諸刃の剣。
なかなか最近やらないのはそのせいでありまして(苦笑
元ちゃんに負けずに、オイラもまだまだ頑張りますかいな!
(´u`)=3
  • POO
  • 2007/08/25 12:36 AM
ここの出版社のコピーで

「この夏に、
かけがえのない一冊と
どうか出会ってください。」

というのがありました。

小畑健作品を読んでいる
そんな読者層にこそ、太宰作品を読んで欲しい
という出版社の思いが伝わってきます。

「感受性が豊かで
素直に物語に感情移入が出来る若い世代にこそ
この作品を読んで欲しい」
というPOOさんの思いも・・・。



とはいえ、自分を振り返れば高校時代

「太宰作品の中でも人間失格だけは
20才過ぎるまで読んじゃいかん!!
人格が破壊される」
と先輩に脅かされ
逆に怖い物見たさで読みました。
同様に「津軽」も。

「ダメ!!」と言われればやりたくなる
「読むな!!」と言われれば読みたくなる
・・・これもその世代の心理なのかも!?


POO-MONOの中でも大好きな
“デザインな独白”
これからも楽しみにしています♪

  • れもん
  • 2007/08/26 8:41 AM
>れもんさん
おっ、POOも現国の教師に「まだお前等の歳じゃ理解出来んだろうけど」とか言われて
ムキーーッとなって太宰を読みあさったクチでした(笑
まぁホント、完全に理解は出来なかったのですがもんの凄い
ウツな感じになったのだけは未だに覚えていたりしてます。とほほ^^;
でも本ってのはそういう色んなコトを教えてくれるモノだと思うので
心豊かな時期にホント、たくさん読んでほしいなぁと思います。
ケイタイ小説ばかりじゃなくてね(苦笑

あう、れもんさんもデザイン独白楽しみにしておられたんすか?!
むぅぅ、みんなしてハードル上げてくるなぁ(苦笑
わっかりました、頑張ってたまには書くようにします!
ってことで、今日は勘弁して下さい(自爆
  • POO
  • 2007/08/27 11:05 AM
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