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  • 2016.08.26 Friday
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【同人誌Reデザイン計画】プロジェクトの紹介・解説&第0期生、受講者募集中。



【はじめに】
あなたは本が好きですか?
僕は本が好きです。
本屋さんで買ってきて、家で読むことしか知らなかった本の世界に、
「同人誌」という世界があるのを知ったのは、中学生の時でした。
本って自分で作ってもいいんだ!!という、あの時の衝撃は今も覚えています。

好きが高じて故郷を飛び出し、出版業界に入り19年。
末席にしがみつきながらも、商業誌ばかり作り続けていましたが、
縁あって同人誌の世界に帰ってきたのが、2015年の夏。
本がただ好きだった初心に戻って、自分なりに好きなように本を作ってきましたが、
20年ぶりに戻ってきた同人誌の世界に、どうにも「?」な感触がありました。
「面白い本にあまり出逢えない」という感触が。

あの当時の同人誌は、せいぜい一太郎で文字を出力してのコピー製本が主。
手書きのページも多く、お世辞にも分かりやすい誌面でない同人誌が多かったですが、
20年経った今、技術や機器はどんどん発達し、個人でPC所有が当たり前。
イラレやインデザなどの専門職ツールを職業に関係なく使いこなす。
昔では大枚叩いても整えられなかったハイテクな環境が整った今の時代なら、
もっと面白い本に出逢えても良さそうなのですが。

なんでだろうなぁ…と思い、よくよく観察してみると、あるひとつの傾向が浮かんできました。
「同人誌なのに、商業誌っぽい」という傾向が。
こぢんまりと小奇麗にまとまってはいるが、小さくまとまっているだけで、
言い方は悪いのですが「出来の悪い商業誌を読んでる気分」になってきたりして。

読んだ人を(その本に書かれている成否は別にして)巻き込み動かす、熱意みたいな。
そんな意味での「本の力」はどんな同人誌にも宿り、見受けられるのですが、
その「力」の表現方法が、どうにもお粗末すぎるんじゃないか…。
そう自分の中で結論付けた時、はたと思ったのです。
「同人誌作ってる人らは、そりゃ本を作る訓練を受けてないから当たり前じゃんか」と。

同人誌を作る時、参考にするモノは何か。
それはおそらく商業誌のはず。
プロが作ったモノだから、それをお手本にすれば大筋で間違いはないだろう…
そう思って見本にした商業誌が、実はもうかつてのように面白いモノではなかった。
その責任は業界内の人間である僕も背負わなければならず、
商業誌を手本として同人誌を作り、結果として面白くならず売れなかった、
という参加者の方、みなに詫びなければならないのです。
君の作った同人誌がたいして面白くもなく、ちっとも売れなかったのは僕のせいだと。

僕が19年前、出版業界に潜り込んだ頃はいわゆる出版バブルの残滓が残っており、
デザイナーやライターが原稿料で新車を買う、家を立てる、というのが当たり前の時代で。
会社も編集者を何十人も抱え、脂の乗った中堅の層も非常に厚く、
本を作る技術は、先輩から新人へと教育・指導し、惜しみ無く引き継がれていました。

それは、出版業界にとっては最期の徒花。
気付けばあっという間に本が売れない!と総出で泣き叫ぶ出版不況の時代へ突入。
喰えないからと次々に離職、廃業するフリーランス達。
社内ではコストカットの名の元に、リストラに次ぐリストラが相次ぎ、
気が付けば本を作る技術を、教える人間も、教わる人間も居なくなってしまったのです。

本を作る技能が無い人間が作る本が面白い訳がなく、本が売れない。
本が売れないから、本を作る技能ではなく、金勘定に長けた人間だけが内部に居残る。
さらに面白くない本だけが粗製濫造され、ますます本が売れない負のスパイラル。
フリーランスながらも、僕も出版業界内部の人間。
その人間が正直に話しますが、もうかつての有象無象の面白い本が書店に並ぶ、
という時代は帰ってこないでしょう。二度と。

僕は本が好きです。
面白い本を読んで、面白い本を作って、面白い本を世に出して、面白い本を読ませたい。
本で笑ってもらい、本で泣いてもらい、本で見知らぬ新しい世界と出逢ってほしい。
本をもっともっと好きになってもらいたい。
この欲望だけはもう骨の髄まで染み込んで、自分の血肉になっていて。

紙媒体が無くなる、ということは今後何百年経とうが有り得ないと確信していますが、
緩やかに、速やかに、規模縮小するのはもう、逃れられぬ定め。
では、本が好きな人間としてはどう動くべきか。
作る、読む、の違いはあれど、本を楽しむことそのものは、
商業でしか決して為しえないモノではなく、同人でも当然のように可能であり、
可能であるからこそ、様々な即売会が開かれ、今日もまた盛り上がっているわけで。
商業が元気ではなくても、同人が元気なら、まだまだ本の命脈は断たれていない。
一度、自分の原点に還ってみるか…。
それが同人誌を20年ぶりに作ってみる切っ掛けでした。

この1年半で作った同人誌「艦これデザイン解説読本」という3部作シリーズは、
デザインの観点から、面白い本を作るための技術を広め、残し、活かしてほしいという
その願いから生まれ出たモノであるのが、正直な本音です。
なので、レポートや報告書でも使えるようなテクニックコラムを誌面に盛り込む事で、
本以外の場所でも、自身が習得した技術が「生き残れる」ように仕掛けておいたのです。
しかし、100、200部程度の領布数では限界があるし、なにより活動としては小規模すぎる。
50万人が集うコミケという場所ではたかが1サークルの影響など、ほぼ無に等しい。
さて、どうするか。
3部作の最終刊を領布した2015年の大晦日、ひとつの決断をしました。
「面白い本が生き残る下地を作るためにこれからは生きて、そのまま死んでやろう」と。
そのためには、もっと多くの人間を巻き込んでやってみればいいのではないか、と。

その本が持つ力、面白さがとても伝わりやすい同人誌が今より数多く輩出されれば、
本を面白がってくれる人が増える、例え増えなくとも本を面白いと思う価値観は生き残る。
それを5年、10年と続けられれば、本を作る…こんなにも面白い世界があるのか!
なら、自分も本を作ってみようかなぁ、と思う人も増えるのではないか。
他人が作った面白い本を読む→面白がる→面白い本を自分でも作ってみたくなる→
面白い本を領布する→それを手に取った別の人が面白がる→その人も本を作る→
…こんな正のスパイラルがもし完成すれば、
本を作る技術と、本を楽しむ価値観は、出版不況のこの時代を超えて生き残るのでは。
その2つが生き残れば、何十年か後、もしくは何百年か後にでも、
再び本を取り巻く環境が盛り上がる時代を迎えるかもしれない。
僅かかもしれないが、その可能性があるだけでも挑戦してみる価値はあるのではないか。
それが、ここまで自分を育ててくれた本の世界に対する「恩返し」ではないか。

二十代、出版業界に入った時は色んな事を学ぶのに、とにかく無我夢中でした。
三十代、フリーランスになった時は明日の糧を得るために、とにかく必死でした。
そして四十代になった今。
ようやく自分が何を為す為にここに居るのか、薄らぼんやりと見えてきたような気がします。
先達から学び、受け継ぎ、自分なりに研ぎ澄ませた「本を面白く作るための技術すべて」を、
次の世代に手渡ししていくのが、きっとこれからの自分の役目なんだろうなぁと。

編集者として、とある雑誌の長にまで昇り詰めた8年の経験のすべて。
デザイナーとして、11年もの間、干されずに生き残ってきた技術のすべて。
20年近くかけて培ってきたすべての技術を、これより一切の惜しみも無くすべて吐き出す。
全部だ、全部、君に教えよう。

この技術を存分に使って、「読みやすく、伝わりやすく、面白い」同人誌を作ってほしい。
何かの縁あって君の作った本を買ってくれた人に「この本、面白かった」と言わせてほしい。
その本でやりたかった一切合財を盛り込んで「ちょっとこの本、ヤベェ」と唸らせてほしい。
君の同人誌に感化されて「自分でも同人誌、作ってみました」と伝えられてほしい。
そういうふうに君が同人誌のクオリティを上げていけるのであれば、
君の同人誌に刺激を受けた仲間やライバル、皆で切磋琢磨していけるのであれば、
本を読むことを楽しむことは、きっと何世代も受け継がれていくのだと思う。
本を作ることを愉しむことが、きっと未来に花咲く日が来るのだと思う。

君の同人誌は、もっと面白くなる。
君の同人誌は、もっともっと売れて当たり前のものになる。
君の同人誌は、きっと語り継がれるものになる。

デザイン・編集・構成、すべての技術を会得した本作りのプロが直接個人指導する、
よ〜し面白い本作ろうぜプロジェクト「同人誌Reデザイン計画」、始まります。
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